選挙
第三極の3分化は自民党に有利に働いている。きたるべき新政権の焦点は官房長官人事だ
〔PHOTO〕gettyimages

 12月16日に投開票日を迎える衆院選について、各新聞は4日の公示直後、6日付朝刊で世論調査の結果を基に「自民、単独過半数の勢い 民主激減 第3極伸び悩む」などと報じた。同時に投票先を決めていない人が従来より多い約半数に達することから「情勢が変わる可能性がある」と伝えている。

 だが、このトレンドが大きく変わることはおそらくないだろう。この調査結果を織り込み、政局の焦点は自民、公明両党を中心とする政権がどんな陣容になるかに移っている。

第三極を慌てさせた野田首相の「奇襲攻撃」

 情勢が変わらないと見るのはなぜか。まず、今回の衆院選の基調が3年3カ月の民主党政権に対する実績評価、つまり民主党政権を断罪することであることだ。自民党が勝ちそうだからといって、民主党支持に動く可能性は低い。

 論戦は活発であり、メディアも積極的に消費増税、原発、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加などをめぐる論戦を積極的に伝えている。しかし、これら争点で有権者が投票先を選んでいるかというとそうでもない。

 各党は何を争点にするかで争っており、論争はすれ違いになっている。かつ肝心な点、たとえば「脱原発」「卒原発」に何年かかるのかという根拠やTPPの具体的な中身は曖昧模糊としていて、選択するのは難しい。

 情勢が変わらないと見る第2の理由は12党も乱立したため、有権者がどの党を選んで良いのか迷っているからだ。これは第三極が統一体とならず、日本維新の会、みんなの党、日本未来の党に3分化したことが大きく影響している。

 首相・野田佳彦が11月14日の党首討論で「あさって衆院解散」と宣言して以降、第三極の各党は滋賀県知事・嘉田由紀子が未来の党結党を表明した同27日までの2週間近くの間、ドタバタ劇を繰り広げた。各党は政策の一致ではなく、党首同士の人間関係や政党のカラーで結びついたり離れたりした。

 そういう意味で野田の奇襲作戦は自民党に対してではなく、第三極に対して効果的だった。言い換えるなら、第三極の各党指導者は野田の真意、つまり「近いうちに」と約束し一貫して年内解散の選択肢を捨てていなかったのを読み誤ったがゆえに、準備が遅れた。「近いうち解散」を表明した8月時点から第三極の各党が連携協議を始めていたなら、違った展開になっていたであろう。

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