中国経済の薄暮
〔PHOTO〕gettyimages

 アップルが、2013年から一部製品を米国で生産することを正式に表明した。同社の決定の背景には、中国国内での賃金水準の上昇に加えて、労働争議の頻発や情報管理に対する不安など、いわゆる"中国リスク"が顕在化していることがある。

 そうした"中国リスク"を意識し始めているのはアップルだけではない。わが国をはじめ主要先進国の多くの企業が、「"中国リスク"を考えると、ビジネスチャンスを中国以外の新興国に求めざるを得ない」と少しずつ考え始めている。

 恐らく、その動きはもう後には戻らないだろう。中国政府としても、そうした動きを意識して、国内の個人消費を活性化して経済を立て直すこことを政策目標にしている。問題は、その政策目標を実現させるためには時間が掛かることだ。「中国経済が薄暮を迎えつつある」。この言葉が、徐々に現実のものになりつつある。

中国経済の減速と景気対策の遅れ

 大方の経済専門家の見方では、中国は、今年前半に経済対策の実施があると予想されていた。その背景には、リーマンショック後の4兆元の景気対策の効果の剥落の予想があった。ところが、実際の対策が出てきたのは今年11月、しかも規模は約1兆元と前回対策の4分の一になった。

 このタイミング、この規模では、欧州経済の減速で輸出のブレーキが掛かっている中国経済の減速を支えることは難しい。結果として、中国経済の減速が、わが国をはじめ世界経済の足を引っ張ることになった。その意味では、最も期待外れだったのが、中国政府の経済運営だった。

 中国政府の経済対策の遅れには、リーダー交代に伴う共産党内部の権力闘争があった。今年の権力闘争はかなり激しいものであったと見られ、中国専門家の間では、「権力闘争はまだ収まっていない」との見方もあるほどだ。それでは、中国政府の経済運営に期待をかけることはできないだろう。

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