中国
新政権のスローガンは「中華民族の偉大なる復興」。「新任上官三把火」よろしく「先代とは違う共産党」を猛アピールする習近平総書記
12月5日、人民大会堂で開かれた"官製座談会”にて〔PHOTO〕gettyimages

 俗に、「新任上官三把火」という。新たに組織のトップに立った者は、前任者との違いをアピールするために、3つの新事業を始めるという意味だ。

 11月15日、新たに中国トップの共産党総書記に就任した習近平(59歳)は、「中華民族の偉大なる復興」を、新政権のスローガンに掲げた。

 そしてこのスローガンの意義を強調するため、11月29日に、新たな「トップ7」(中共中央常務委員)を全員引き連れて、天安門広場の東隣にある国家博物館を参観した。習総書記はこの博物館が大のお気に入りで、昨年7月の共産党創建90周年の時にも参観している。

中国共産党の偉大なる「現代」と「復興の道」

 この巨大な博物館は、昨年3月に、中国歴史博物館からリニューアルオープンした。石器時代から国民党時代まで、すなわち1949年の共産党政権成立までを、すべて「古代」と一括りして、地下1階の展示場に押し込めているのが特徴だ。そして1階の吹き抜けの大広間は「現代」、すなわち中国共産党の偉大なる革命画が並んでいるのだ。一説によるとこの陳列自体を、習近平総書記が"指導"したという。

 私は地下1階の「偉大なる中国古代文明」の展示が好きで、この巨大な博物館へ何度も足を運んだものだ。だが、毎回、地下1階を見終えて1階に上がったとたん、夢から現実に引き戻される。それでも一度だけ真面目に1階の展示を隅から隅まで観たが、毛沢東主席が1949年10月1日に天安門から建国宣言する様子を油絵にした『建国大業』が中央にドーンと飾られていた。その油絵には、毛沢東主席に陪席した最高幹部たちも描かれているが、そのうち二人が後に粛清されて絵を塗り直したといういわく付きの「名画」だ。

 その周囲には、イエス・キリストの「山上の垂訓」をそのままパクったような、『人民を啓蒙する毛沢東』など60点ほどが並んでいた。ちなみに、その広大な展示場を参観していたのは、私だけだった。

 それで今回、習近平総書記が「トップ7人」を帯同して見学したのは、この1階の「現代」の展示と、「復興の道」と題した特別展である。特別展は、5つのコーナーに分かれ、カール・マルクスの『共産党宣言』の初の中国語訳本、中国共産党の初の綱領など、計1200点の「貴重な文物」が並ぶ。他にも、870枚もの「貴重な写真」が展示してある。

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