原発は? 消費税は? TPPは? もし自民党単独政権が誕生しても、重要課題が動き出すのは来年7月の参院選からだ!
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 12月5日付の新聞各紙朝刊が一斉に衆院選の序盤情勢を報じている。どこも自民党が有利に戦いを進めているとして、朝日、毎日、読売、日経の4紙は「自民が単独過半数の勢い」という見通しを打ち出した。

 半数前後の有権者がまだ態度を決めていないので、この層が動くと、情勢が大きく変わる可能性もある。だが、ここでは自民党が単独過半数を獲得すると、主要課題について政治はどう動くか考えてみよう。まず原発エネルギー政策だ。

規制委の人事をやり直すか否かが試金石

 自民党は原発について原子力規制委員会の判断を優先し、すべての原発について再稼働の可否は3年以内に結論を出すとしている。再生可能エネルギーと省エネについても3年間、最大限の推進を図る構えだ。そのうえで、中長期のエネルギーについて「10年以内に持続可能な電源構成のベストミックスを確立する」という。

 規制委がOKといえば、原発を動かす可能性が高いが、いまの段階で「全部動かす」と決めたわけでもない。逆に言えば、規制委がNOなら、全部止める可能性も理屈の上では残っている。となると、鍵を握るのは規制委である。

 野田佳彦政権が決めた原子力規制委員会のメンバーは田中俊一委員長を含めて、少なくとも3人は原子力推進の立場に立つ「原子力ムラ」の人間である。人選について民主党内からも批判があり、野田政権は造反を恐れて国会承認の手続きに入れなかった。

 自民党政権になったら、ここをどうするのか。野田政権が選んだメンバーで良しとして、そのまま国会承認を求めるのか。そうであれば、自民党が衆院で過半数を握り、参院も自民と民主で過半数を超えるので、規制委人事は承認される可能性が高くなる。

 再稼働を判断するいまの基準はあくまで暫定なので、規制委は来年中に新たな本格的基準を作って再稼働を判断するだろう。それとは別に、活断層が敷地内にある疑いが指摘されている大飯原発については別途、安全を判断する運びである。

 いまの規制委を良しとせず、衆院で人事を否決したうえ、あらためて人選をやり直す可能性もある。そうなると、自民党がゼロから体制を作り直す格好だ。メンバーを入れ替えたとしても、やはり規制委を原発推進派で固めるなら、再稼働に向けて大きく傾く。

 いずれにせよ自民党は規制委をいまのままでいくのか、それとも人事をやり直すのか。記者会見でも質問が出ず、この点がはっきりしていない。自民党の原発エネルギー政策を占う試金石になるポイントである。ぜひ投票日までに明らかにしてもらいたい。

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