野球
二宮清純「日米を知る男・吉井理人のチェンジアップ理論」

「日本とアメリカじゃチェンジアップに対する考え方が違うんです。向こうでは“ボールに回転をかけなさい”とまず教えるんです」

 そう語ったのは今季限りで北海道日本ハムの投手コーチを辞任した吉井理人さんです。メジャーリーグではメッツ、ロッキーズ、エクスポズでプレーし、通算32勝(47敗)をあげました。

目からウロコの握り方

 チェンジアップの投げ方はメッツ時代、ホワン・アセベドというメキシコ系の選手から教わったそうです。

「日本にいる時、チェンジアップはパームボールみたいに抜いて投げるものだとばかり思っていた。だから難しいんだと……。

米国で覚えたチェンジアップの握り

 ところがアセベドの教えは単純なんです。器用に使える2本の指のうちの1本を使わないで投げる。つまり人差し指を使わずに中指と薬指と小指の3本でボールを握る。下手に抜いたりせず、この3本の指で普通に真っすぐを投げればいいんです。僕はこれをフォーシームで投げていた。

 するとストレートと同じ腕の振りで、ストレートよりも幾分、遅いボールが投げられる。フォーシームゆえ、ボールに回転がかかっているし、腕の振りが一緒だから、相手はストレートと判別がつかない。これは目からウロコでした」

 ここまで言って吉井さんは続けました。「結局、野茂のフォークと同じ原理なんですよね」