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2012年12月06日(木) 小林 雅一

誹謗ツィート、リツィートで告訴される可能性も---英国の誤報事件が思わぬ展開に

 英国で大物政治家を誤って誹謗した無数のツィートが、過去に例のない訴訟を招くかもしれない。

 事の発端は先月、英国で放送された2本のテレビ番組。まずBBCが11月2日、「元貴族院(英国上院)議員で保守党の大物政治家が、かつて幼児への性的虐待に関与した」と報じた。これを受け別の英テレビ局であるITVのレポーターが、この大物政治家を含む複数の保守党政治家の氏名を列挙した容疑者リストを手に、デビッド・キャメロン首相を直撃インタビューしてコメントを求める番組を放送した。

テレビ番組の誤報と誹謗ツィートの被害者になったAlistair McAlpine議員

 両番組とも、敢えて容疑者の名前を伏せた匿名報道とした。しかし、これらの放送を受け、ツィッター上では「この大物政治家とはAlistair McAlpine氏に違いない」とするツィートが飛び交った(もちろん両放送局とも、容疑者がMcAlpine氏であることを前提に番組を製作していた)。

 なぜ匿名報道にしたのに容疑者が誰か判明してしまったのか? その理由ははっきり分からないが、恐らく番組を見ていた英国の視聴者には、容疑者の名前を隠しても、それが誰であるか自明であったか、あるいはITVのレポーターが手にしていたリストの内容が、テレビ視聴者にも丸見えであったせいではないか、と見られている。

 いずれにせよツィッター上では、「McAlpine氏が幼児への性的虐待の犯人である」という認識が確定していまい、当然のことながら、同氏を非難、誹謗するツィートの嵐が吹き荒れた。ところが11月中旬、英紙ガーディアンが「BBCとITVの番組は誤報で、McAlpine氏が児童虐待に関与した事実はなく、むしろ同氏は誤報の被害者である」と報じた。

 両局は確かに被害者側からは「McAlpine氏から性的虐待を受けたことがある」という証言を得ていたが、加害者とされるMcAlpine氏には確認のインタビューを怠っていたようだ。ガーディアン紙の報道を受け、被害者自身が犯人の人違いをしていたことを公に認め、晴れてMcAlpine氏の無実が証明された。

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