「不況の時のハウス買い」の法則も崩壊!? 消費者の将来不安と生活防衛色が強まる中で、企業はいったいどうしたらいいのか

 今、景気の後退期に入っていると言うと、みなさんは「もう、ずっと前から後退期だろう!?」という感想を持たれると思います。しかしGDPの数字などを見る限り、2009年3月を底に2012年3月までの約36ヵ月の「景気回復期」を終えて、現在は景気後退期に入っているように思われます。

 景気回復期なんてあったの? ということですが、実際は緩やかながら景気は回復をしていたのです。リーマンショック前までGDPの水準は戻らない、非常に弱い回復であったということです。しかし問題は、今、景気後退期に入っており、これからさらに悪くなるかもしれないという事実です。

 でも景気後退をそれほど恐れる必要はありません。景気の循環は人が呼吸をするようなものなので、このようなサイクルがあることはとても自然なことなのです。とはいえ、好況期と不況期では戦略も心構えも違うので、これから私たちは不況期の中での対応をしていく必要があります。

不況の時のハウス買い

 最近、私が衝撃を受けたのが、「ハウス食品」の第2四半期の決算です。元データはきちんと開示されているので、興味のある方はぜひ御覧ください。

http://housefoods.jp/company/news/dbpdf/220507362e78585.pdf

 私が驚いたのは、「不況の時のハウス買い」という従来の鉄則が崩れたことです。私は上司や先輩のファンドマネジャーにこの鉄則を教えてもらいました。こういうロジックです。

 不況になるとお父さんが早く家に帰ってくる(残業も飲み会も減る) → 家で食事をするようになる → 人の増減に便利なカレーライスが頻繁に作られる → 不況期でもハウス食品の業績はしっかり → ハウス食品の株式に投資をしていたら堅調

 風が吹けば桶屋が儲かる・・・というような話ですが、実際にこの法則は長年成立していたんですよね、「不況の時のハウス買い」が。

 ところが最近、それが崩れたのです。理由はいくつかあります。

 まずは「ウコンの力」が大きな収益柱に育っていたことです。「ウコンの力」は、お酒を飲むときに悪酔いを防ぐ効果がある大ヒット商品です。しかし景気悪化でお酒の席が減り、「ウコンの力」の売り上げが減ってきたのです。

 次に本業のカレーの販売が苦戦していることです。この理由は大きく2つ。

 ひとつは構造要因があります。というのも家族構成が変化して、単身世代や二人家族が増えて、カレーライスを大鍋で食べるという習慣そのものが少なくなってきたということです。今やサザエさんみたいな家族は珍しいということです。

 都心部に住むシングルの男女や、地方でも夫婦二人のようなミニマム世帯が増えてきました。そのため、不況だからといってカレーを食べるという循環にはならないということです。

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