『ソーシャル&リアルがポイント。今求められる新しい出会い、学び、コミュニティの形~「ミートアップ」とは』

「ミートアップ」という言葉を、最近少しずつですが耳にする回数が増えてきたように思います。ソーシャライズの連載でも以前に同様のテーマの記事が2回取り上げられていますが、実際に参加されたことがある方はいらっしゃいますか?*

 必ずしも「ミートアップ」という呼び方はしていなくとも「ミートアップ」的なものが指すものは、共通の興味や地域に関して、インターネット上でイベント管理・告知をすることで集う「オフ会」のようなものです。勉強会、セミナーのような構えたものではなく、時間と場所とテーマを決め、少人数から20~30人くらいまでで、でカフェ等に集まって行われる小規模ミーティング・交流会をイメージされると、分かりやすいかもしれません。

 多くの場合、参加申し込みの際にツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディア・ツールを通じて自分のアイデンティを開示するため、全く初めての人に囲まれたとしても、そこには共通のテーマ・文脈があり、すぐに打ち解けて会話が生まれやすいことが特徴です。

 私も先日、「つながる読書会---Bookclub with sharemind」という会に参加する機会がありました。課題図書が『メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる』(徳間書店)で、テーマに興味関心を持っていたこともありますが、お誘い頂いた主催者の方以外、当日一度も会ったことがない方々約10名ととても深いディスカッションをさせて頂く機会でした。気づいたら2次会まで参加し、数多くの人と出会うことができ、思いがけない発見とインスピレーションを得ることができました。

 以前から思っていて、そこで生まれたインスピレーションがひとつあります。それは、震災から1ヶ月半が立ち、今こうした「ミートアップ」が、出会い・学び・コミュニティの新しい形として、必要とされているのではないか、ということです。

 理由は3つあります。

【1】地域や興味が共通の人と出会い、語ることで、不安を取り除き、今起きていることを理解するため

 震災を契機に、私たちは今まで経験したことがないような困難な状況に直面し、新聞、テレビ、インターネット、日々の会話を通じ、大きな将来不安を感じています。もちろん家庭や職場、地域で既に多くの人は何らかのコミュニティに属しているとは思います。ただ忙しさを増す日々の中で、なかなか機会がないと会うことが難しい、と感じている人は少なくないのではないでしょうか。コンピュータのスクリーン、テレビの画面からしばし離れ、同じ地域や趣味で共通点をもつ人と出会うことは、不安を取り除き、新しい発見をもたらしてくれるのではないでしょうか。

【2】分からないことを学び、教え合う場所を持つため

「3.11」以降、私たちは沢山の新しく学ばなければいけない事象に直面しています。単位の読み方も未だに十分に理解出来ない放射能のこと、これからのエネルギー政策のこと、そして急に身の回りで利用が拡がったソーシャルメディア・ツールの使い方について等です。

 図書館や書店に行って本を捜す、インターネットで情報収集をする、ということ以外に、手軽な「ミートアップ」を開催したり、参加したりしてみてはいかがでしょうか。共に学ぶことで理解が深まったり、人に教えることで感謝されたりすることが、実は多くあることに驚くかもしれません。若い世代が先輩世代にソーシャルメディアのことを教えつつ、先輩世代からは人生・仕事経験、歴史、そして地域のことを学べるかもしれません。

【3】震災にまつわるギャップを埋め、コミュニティの中で自分が今できることに気付き、一歩を踏み出すため

 震災後の課題になっていることのひとつに、被災地の方とそうでない方との間にある様々なギャップが指摘されています。被災地で起きていることの情報や理解、当事者意識のギャップ等です。例えばボランティアで現地に行った方を招いて行う「ミートアップ」を開催することで、ボランティアに参加する機会を学ぶ等、自分ならではの関わり方を見つけることが可能になるかも知れません。もしかしたら新しいNPOが生まれることもあるかもしれません。

オフ会自動管理サイト『ミートアップ』

 アメリカにはまさに『ミートアップ(www.meetup.com)』という名前の会社が存在し(2002年設立)、世界中の8万近い地域で、4万6千ものトピックに関して、毎月25万回もの「ミートアップ」が開催されています。トピックは好きな本、映画、ヨガ、外国語学習等、あらゆるテーマについてのグループが存在します。残念ながら日本語には対応していませんが、日本にも200近いグループが存在します。

「ミートアップ」企画者は月に12ドルという費用を払う必要があるのですが、日時、場所、テーマの設定、出欠者管理までを簡単にできるプラットフォームの利用が可能になります。既にサイトに登録している多くの人への告知も可能です。イベント参加費のオンライン課金もペイパルやクレジットカードを通じて徴収できる点は非常に便利です。

 ミートアップの特徴的な点は、自分が気に入るグループが見つけられなければ、誰でも簡単にグループを作成することが可能なことです。2004年の大統領選挙の際には、当時のハワード・ディーン候補を支援するコミュニティが全米で自発的に立ち上がり、組織され、大きな役割を果たしました。そして昨年には「Meetup Everywhere」というサービスをリリースし、テーマを掲げることで世界中にそのテーマに関したイベントを企画することが可能になりました。

 創業者でCEOのスコット・ハイファマン (Scott Heiferman)氏は創業時から一貫してコミュニティの力を信じ、「人が集まれば凄いことが起こる!」といつも情熱的に語っています。私も1年半前にニューヨークのオフィスに彼を訪ねる機会があったのですが、「是非日本にもこうしたミートアップ文化を広めてほしい」、と言われたことを今でも思い出します。

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