中国
「勝手な中国領」が描かれた新パスポートに周辺国は非難轟々! ますます強硬になる中国に手を焼いているのは日本だけではなかった
中国の新パスポートに講義するフィリピンの人々〔PHOTO〕gettyimages

 「中国は、国内情勢が厳しくなればなるほど対外的に強硬になる」---これは、先週久し振りにお目にかかった、日本を代表する中国問題の専門家である高原明生・東大教授の箴言だ。

経済発展の波は、緩やかな下り坂を続ける

 11月30日金曜日、上海総合株価指数(日経平均に相当)は、ついに1959ポイントまで下落した。5年前の今頃は、6000ポイントを超えていた。それが5年で3分の1以下となった。まさに惨憺たる状況だ。

 思えば今年に入って、中国の証券業界では「習近平待望論」が強かった。つまり、株価が下落し続けているのは、誰もが習近平時代の到来を待っているからであって、秋に第18回共産党大会を経て習近平時代に入れば、株価は急騰するだろうというものだ。「老習就任、牛市到来」(習が就任すれば、株価が上昇する時代になる)という楽観論を、何度も中国人から聞いたものだ。

 ところが、11月15日に習近平時代が到来して以降も、株価は落ちる一方で、ついに「超危険水域」の2000を割って1959まで落ちた。市場は習近平・新総書記の経済手腕を、完全に冷めた目で見ているということである。年初に「習近平待望論」を掲げていた人々も、いまや「いくら落ちてもゼロにはならないでしょう」などと、完全に諦めムードだ。

 11月28日、中国で最も有力な経済誌である『財経』が主催した北京財経年会に、中国証券監督管理委員会の郭樹清主席が出席した。この惨憺たる証券市場に対して、郭主席のどんな発言が出るのか注目された。だが郭主席は、次のように煙に巻いたのだった。

 「証券市場の問題には何も答えられないよ。ただ一言だけ述べるなら、私は証券市場を信じているということだ」

 この12月で就任丸10年になる周小川・中国人民銀行行長(中央銀行総裁)は、早ければ今月にも引退すると見られており、後継は郭主席と、尚福林・中国銀行監督管理委員会主席が激しく争っている。

 私は先月の共産党大会で尚福林主席を見かけたが、まるで周小川行長の腰巾着のように、ペコペコしながら周行長の一歩後ろを歩いていた。われわれ記者たちが何を質問しても「周行長の仰せの通り」。上に媚びを売らず実力一本でのし上がって来た郭主席とは対照的だ。

 「反日デモは愚の骨頂」と素直に述べる郭主席が人民銀行のトップに立てば、改革は進むだろうが、習近平体制の「トップ7」の無難な顔ぶれを見ていると、どうも尚主席が勝つ流れに見えてならない。つまり、大胆な改革は行われず、経済発展の波は、緩やかな下り坂を続けるというわけだ。

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