母校で教育実習、東浜巨(ソフトバンク・ドラ1)の「文武両道」をチェック
初めて一人で教壇に立つ直前、廊下を歩く東浜。スーツ姿も初々しいが、さすがに緊張の色は隠せない様子〔PHOTO〕村上庄吾
高校3年間を過ごした野球部寮から学校に通う。この日は朝食に使った食器を台所に返却してから出勤した

「休み(の人)はいないよね? 意味が分からないこと言うかもしれないけど、よろしくお願いします」

 ここは南国・沖縄の私立高校。この日、初めて教壇に立った〝新米先生〟の表情は緊張でガチガチだ。彼にとっては甲子園や神宮のマウンドよりもタフな舞台なのかもしれない―。

 11月下旬、ドラフト会議でソフトバンクに1位指名された東浜巨(なお)(22、亜細亜大4年)が母校の沖縄尚学高で教育実習を行った。期間は2週間。彼が取得を目指すのは高校公民の教員免許だ。

「沖縄の最低賃金はいくらだと思う?」

「日本国民の三大義務は?」

 この日、彼が受け持ったのは体育コースの3年生が対象の「現代社会」。テーマは労働問題だ。最初こそ緊張した様子だったが、生徒への質問を多めにすることで徐々にペースを摑んでいく。「前夜2時までかけて作った」という自作プリントも駆使して70分の授業を無事に〝完投〟してみせた。授業後、生徒たちに感想を聞いてみると「分かりやすい」「口調が丁寧」と、かなりの高評価だ。

 そもそも東浜にとってプロ野球選手と並ぶ、もう一つの夢が教師だった。郷里のうるま市に住む旧友が「ナオ」こと東浜との思い出を語ってくれた。

「うちの中学は一学年270人いたんですけど、学力テストだとナオはいつも50位以内。2年の時は10位以内にも入っていたんですよ。担任の先生は今でも『東浜は野球も凄いけど勉強もよくやっていた。成績はずっとオール4だったんだ』って生徒に得意げに話してますから(笑)」