Close up 佐藤寿人(サンフレッチェ広島)「ワンタッチへの矜恃」チームを初優勝へ、そして自身も初の得点王へ
今季9年連続2ケタ得点とJ1通算100ゴールを達成。「得点王になるよりも優勝のほうが嬉しい」と語った〔PHOTO〕髙須 力

 11月24日、広島ビッグアーチには3万人を超える観客が詰めかけた。優勝を期待するサポーターに後押しされ、サンフレッチェ広島はセレッソ大阪を圧倒。4-1でチーム初のJ1制覇を成し遂げたのだった。

 優勝が決まった瞬間、ピッチに泣き崩れたのは佐藤寿人と(30)だ。佐藤は、キャプテンとしてチームの精神的支柱となるだけでなく、エースストライカーとして攻撃陣を牽引してきた。今季樹立したリーグ戦9季連続2ケタ得点は前人未到の大記録であり、22得点を挙げて得点ランク1位に立っている(11月26日現在)。

 身長170cmとさほど大きくなく足もズバ抜けて速いわけではないのに、なぜゴールを量産できるのか。その秘密を追った。

30秒で試合を決める方法

「あぁ、惜しい!」

 練習の最後に行われた10対10のミニゲーム。見学に来たファンから思わず声が上がった。佐藤が振り向きざまに放ったシュートをサブ組に入った正GK西川周作(26)がセーブした時のことだった。

 ゴールまで20m以上、しかもDFを背負った状態。通常ならばキープしてタメを作るかサイドに展開する場面で、佐藤が下した判断は、トラップでボールを浮かしてからのボレーシュートだった。