2012.12.07(Fri)

夢は世界進出です。
より速く、安く作ることができれば
かつらはいつかもっと身近な
〝日用品〟になると思うのです。

プロピア 保知宏

週刊現代
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かつらや育毛商品を開発・販売する『プロピア』。女の子が腕に長い毛を着け、引っ張る『ヘアコンタクト』のテレビCMで一躍、有名になった企業だ。社長は保知宏氏(54歳)。創業社長として激しい浮沈を経験した人物が、その人生を語った。

 

夢は世界進出です。より速く、安く作ることができればかつらはいつかもっと身近な〝日用品〟になると思うのです。 ほち・ひろし/'58年東京都生まれ。'76年日本学園高等学校普通科卒業後、'84年に会社を設立して様々な業態で起業。'96年に『プロピア』へ社名変更し、'03年に『ヘアコンタクト』を開発、販売を開始する。'08年に民事再生法の適用を受けたが、保知氏は社長を続け、その後、経営再建を果たした

賭ける
 弊社のかつらは〝毛が生えた絆創膏〟のようなものです。2週間程度で着け換えていくので、常に頭髪の状態に合ったものを着けていられます。しかも1枚1万円程度だから、既存のかつらよりコストが安い。

 この商品を発案した時、開発を頼んだ仲間に聞かれました。「発想はいいが試作に億単位のお金が必要だ。しかも技術的に難しい。キミは賭けられるか?」と。この時、新しいものを作りだすためには、創業社長である私が人生を賭けなければ、と思った。そして「やる」と答えたのがすべての始まりでした。

冗談
 女子高生が腕から毛を生やして引っ張るCMは、私の冗談から生まれました。広告代理店の方と飲みに行った時、お店にいた女性たちをびっくりさせようと「すごい増毛剤を開発した」と、こっそり腕に『ヘアコンタクト』を着け、引っ張って見せたんです。すると女の子が「毛が生えた!!」とキャーキャー喜び―広告代理店の方が「これだ!」と仰った。

大浮沈
 子どもの頃から「社長になる!」と決めていました。最初の起業は'84年、26歳の時のことです。後楽園球場で行われていた発明展示会を訪ねたら、お年寄りがアルミ製のボックスを持って座っていた。中を見ると、ゼリー状の薬が入っている。彼は「この箱を壁に付け、タイマーで内蔵のファンを回すと薬が散布され、部屋中のゴキブリが死ぬ」と教えてくれました。試すとその通りだったので驚き、これを商品に起業したんです。訪問販売すると、最初は飛ぶように売れた。

 しかし、お客様からの一本の電話ですべてが暗転しました。効かなくなったのです。

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