読書の達人・佐藤優氏が選ぶ「読書ノート」(No.3~4)
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」 Vol.002より
【佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.002 目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
 ■分析メモ(No.2)「インド首相が訪日延期―日印関係の改善が必要な理由」
 ■分析メモ(No.3)「解散総選挙をどう見るか」
―第2部― 読書ノート
 ■読書ノート(No.3)読売新聞大阪本社社会部『橋下劇場』中央公論新社 2012年
 ■読書ノート(No.4)加藤尚武『環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー 1991年
―第3部― 質疑応答

読書ノートは、政局の中心にいる橋下徹氏に関する本、さらに近代的な自由について考えるのに適切な本を取り上げた。今後、日本の社会が閉塞感を強め、自由に対するさまざまな制約が生じるという懸念から、あえて「愚行権」という聞き慣れない権利に焦点をあてた。

読書ノート(No.3)

読売新聞大阪本社社会部『橋下劇場』 中央公論新社 2012年

12月16日の衆議院議員選挙(総選挙)に関して、石原慎太郎前東京都知事が代表、橋下徹・大阪市長が代表代行をつとめる「日本維新の会」の動向から目を離すことができない。橋下氏に関して、多くの本が出ているが、その中では本書が橋下氏の内在的論理をもっともよく捉えている。橋下氏の政界再編のキーワードが「センターピン」であるとの指摘が鋭い。

この会見(引用者註*7月11日の報道陣のぶらさがり取材)で橋下は、政界再編について、自分の視点を示すキーワードを披露した。「センターピンが何か」である。ボウリングで先頭に置かれるピン。これが倒れないとストライクは取れない。事業を成功させるために最も重要なポイントという意味で経営論に使われている。橋下は、国を動かすインクトがあり、周りのピンを倒すような波及効果をもたらす政策の核だという。「このグループはどういう価値観なのかということをしっかり提示しなければならない。これからの政治を乗り切っていくためには、何が重要なセンターピンになるのか。核のセンターピンがある。僕もセンターピンを持っている。これが一致しないと一緒にできない」

維新にとってのそれを、橋下は「消費税の地方税化」だと述べた。橋下はこの日の会見で、さらにこう言った。「僕と河村さんと大村さん、石原都知事、小沢先生と自民、民主、公明、みんなの党、それぞれどの部分が決定的な価値観なのかを分析すれば、さすがにここがずれてたら無理だろうとか、ここが一致してたら細かなことは何とかなるとか、だいたい見えてくる」

どこと組むのか。組む理由がどんなものなら、国民多数の支持を得られるのか。来るべき次期衆院選での国政進出というゲームでストライクを取るために、橋下は周到に準備を進めている。>(290頁)・・・・・・(略)

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