佐藤優 インテリジェンス・レポート
「インド首相が訪日延期―日印関係の改善が必要な理由」 「解散総選挙をどう見るか」

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.002より

【はじめに】
インテリジェンス・レポートでは、衆議院の解散総選挙について、マスメディアとは異なった切り口から、「分析メモ」を2本作成した。突き放してみると、新・帝国主義的な国際社会の変動に日本の国内体制を適応させなくてはならないので、政局の混乱が生じているのである。

【目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
 ■分析メモ(No.2)「インド首相が訪日延期―日印関係の改善が必要な理由」
 ■分析メモ(No.3)「解散総選挙をどう見るか」
―第2部― 読書ノート
 ■読書ノート(No.3)読売新聞大阪本社社会部『橋下劇場』中央公論新社 2012年
 ■読書ノート(No.4)加藤尚武『環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー 1991年
―第3部― 質疑応答

分析メモ(No.2)「インド首相が訪日延期―日印関係の改善が必要な理由」

【事実関係】
1.
11月14日、インド政府は、野田佳彦首相が衆議院を解散する方針を固めたことを受け、15日から予定されていたマンモハン・シン首相の訪日を延期すると発表した。

2.
11月15日、日本政府は、14日にインド政府が一方的に発表したシン首相の訪日延期を受け入れると発表した。

【コメント】
1.
外交の世界で、首脳の訪問はとても大きな意味をもつ。通常、首脳訪問にあわせて合意文書を作成し、二国間関係を発展させていく。首脳の訪問を延期する場合には、事前に相手国と合意して発表するのが通例である。今回、インド政府がシン首相の訪日延期を一方的に発表したことは、異例である。インド側の日本に対する強い不満の表明と見るのが妥当だ。

2.―(1)
現下の日本にとって、最大の脅威は中国である。インドも中国の台頭に対して、強い警戒感をもっている。日本とインドの戦略的提携関係を推進することは、双方の国益に適う。

2.―(2)
11月16日、米国はミャンマーに対する制裁を原則的に解除した。同19日、オバマ大統領がミャンマーの首都ヤンゴンを訪問し、テイン・セイン大統領と会談した。米国大統領がミャンマーを訪れたのは初のことである。

米国がミャンマーとの関係を改善した背後でもインドが動いた。地政学的にインドとミャンマーをつなぐルートは、第二次世界大戦中に連合国が重慶の中国国民政府(蒋介石政権)を支えた「援蒋ルート」にあたる。インドは、米国とミャンマーの関係を改善させることによって、西南部から中国を牽制することに成功した。・・・・・・(以下略)

分析メモ(No.3)「解散総選挙をどう見るか」

【事実関係】
11月16日、野田首相は、衆議院を解散した。12月16日、衆議院議員選挙(総選挙)が行われる。

【コメント】
1.
野田首相は、このタイミングで解散を行えば、総選挙で民主党が比較第一党になる可能性があると、本気で信じている。野田首相に入る情報が限定的であるか、あるいは現時点での解散総選挙へと誘導する歪曲された内容であることが、このような判断の原因になった。

2.
「野田首相が、解散総選挙について事前に相談したのは岡田克也副首相と藤村修官房長官のみである」(全国紙政治部記者)との情報は正しいと思われる。さらに党首討論の直前に野田首相が、安住淳民主党幹事長代行には、解散総選挙の意向について告げた可能性もある。いずれにせよ、輿石東(こしいし・あずま)民主党幹事長は、解散総選挙を決定する過程にまったく関与していない。・・・・・・

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