真壁昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」

円安の背景にあるのは日銀の金融緩和に対する期待だけなのか?

2012年11月27日(火) 真壁 昭夫
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〔PHOTO〕gettyimages

 先日、ベテラン為替ディーラーと話をしていたら、彼が気になることを言っていた。それは、「安倍・自民党総裁の金融緩和要請だけで、これだけ円安に振れるだろうか?」という素朴な疑問だ。為替市場で長年生きてきた彼の経験から考えて、「他にも何か要因があるはずだ」というのが彼の感覚なのだ。

 最近、特に動いていたのは、ヘッジファンドなど足の速い投資家が中心だ。彼らは情報に対していつでも敏感に反応して、素早くポジションを変えることで知られている。その彼らが、ここへ来て活発に動いている。確かに彼でなくても、「何か、気が付いていないことがあるかもしれない」と考えたくなる。

テクニカルにも円高転換の材料

 足許の為替市場の材料を分析すると、テクニカルにも円高が転換する要素がみられる。まず、元々、円高傾向は長くても5年程度で転換点を迎えることが多かった。今回の円高の出発点を2007年ころとみると既に5年経過しており、過去のすう勢が生きるとすれば、そろそろ転換点を迎える時期に来ている。

 また、わが国経済の基礎的な要因=ファンダメンタルズを見ても、足元で、わが国の貿易赤字の体質が定着しつつあり、ドル・円の需給に変化が出てもおかしくはない。それに加えて、今後、日銀が一段の金融緩和策を実施することが期待されている。

次ページ  ヘッジファンドなど投機筋が、…
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