安倍総裁と野田首相の"口先公約"にご用心! 実現方法や立ちはだかる課題には触れない大胆発言の信憑性を問う!
〔PHOTO〕gettyimages

 自民党の安倍晋三総裁は、17日の「日銀による建設国債の買い入れ」発言がメディアで大きく扱われて以来、得意満面で演説のたびに「私が総裁になったら、円が下がり、株も上がった。給与も、雇用も伸びていく」と繰り返しているという。

 対する野田佳彦首相(民主党代表)は渋面を崩さず、「脱原発依存」と「TPP(環太平洋経済連携協定の推進)」を念仏のように繰り返している様子だ。

 だが、2人の発言には、共通点がある。その実現方法や、立ちはだかる壁をどう克服すべきかについて、ロクに言及していない点だ。口先だけで、事の重大性を理解しないではないかと疑いたくなる皮相な物言いなのである。我々有権者は、前回の総選挙における民主党マニフェストの二の舞にならなかいか疑ってみる必要がありそうだ。

自画自賛を得意げに行う安倍総裁

 まず、話題をさらっている安倍氏の一連の発言を巡る新聞報道を概括してみよう。

 そもそも安倍氏は、10月半ばのインタビューで、日銀法改正を視野に入れた発言をしていた。

 同氏は今月17日の熊本市内での講演で、政権を奪還した場合、景気刺激策として公共投資を拡大し、その財源を調達するため「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」と発言した。加えて「(そのことで)強制的にマネーが市場に出ていく」と補足したという。

 19日には、自民党本部で開いた会合で、「インフレターゲット(物価目標)をしっかり設定して、それまで日銀は無制限で金融緩和を行っていく」と強調した。

 さらに、自民党は21日、『政権公約』を公表し、「明確な『物価目標(2%)を設定、その達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う』」ほか、「財務省と日銀、さらに民間が参加する『官民協調外債ファンドを創設し、基金が外債を購入するなど様々な方策を検討する』」との方針を打ち出した。

 そして、安倍総裁は22日、都内で開いた商工会全国大会で挨拶し、「われわれが政策を発表しただけで円は下がった。下がったことで一体、何人の雇用が守られたか。日銀には謙虚に考えてもらいたい」と発言したという。

 実は、筆者の取材でも、安倍総裁は、こうした趣旨の自画自賛を得意げに行っている。

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