秋ドラマの勝敗にみるTVドラマの潮流---爆発的ヒットのカギは「今、絶対に見たい」と思わせる"伏線"にある!?
『PRICELESS』ホームページより

 10月にスタートした秋ドラマの放送が終盤に入り、視聴率の勝敗や内容の優劣が明確になった。

 キムタクこと木村拓哉が主演するフジテレビの月9『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』は放送前、「もうキムタクでもないだろう」と揶揄されていたが、実際には平均で約17%の高視聴率をマークし、大成功の部類に入る。

キムタクは今でも平成型ヒーローの第一人者

 陰謀で会社を追われ、貧困生活を余儀なくされるキムタクが、大切なモノほど金では買えないことに気づく成長譚。おとぎ話と笑うなかれ。平日がスタートした月曜日の夜、誰も重苦しい気分にはなりたくないだろう。

 キムタクが演じる主人公は表面上こそ軽いが、内面は熱く、筋の通った男。キムタクが十八番とする役柄である。実社会にも通じる平成型のヒーロー。今の時代、熱血をむき出しにしていたら、周囲から煙たがられる。キムタク限界説は新作が放送されるたび、お題目のように唱えられるが、平成のヒーローを演じさせたら、まだ第一人者だろう。

 キムタク人気に疑問符が付けられるようになった契機は昨年の秋ドラマ『南極大陸』(TBS)だったが、これはキムタクに昭和型のヒーローまで無理に演じさせようとしたためだ。役柄は戦後復興期における南極観測隊の男だが、ミスキャストだった。

 映画『南極物語』(1983年)に主演したのは高倉健。当然の人選である。逆に高倉健がいかに名優であろうが、キムタクの役柄は演じきれないはずだ。キムタクの批判勢力は「何を演じてもキムタク」と嘲笑するが、それは実直な男を演じ続ける高倉健も同じ。主演クラスの役者は自分の型を守る。第一、いまさらキムタクに何を演じさせたいというのだ?

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