読書人の雑誌『本』
『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』 著:倉島保美
文学的な文章と論理的な文章

 文学的な文章と論理的な文章では、書き方が違う。では、どう違うのか?

 論理的な文章の書き方の指導を生業とし、このたび『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』(講談社ブルーバックス)を上梓した筆者の立場から、文学的な文章と論理的な文章の相違点と類似点を考えてみよう。なお、ここで言う文学的な文章とは、小説やエッセイ、作文を指す。一方、論理的な文章とは、ビジネス文章や小論文、論説文と考えてもらいたい。

 俗に言う「起承転結」は、文学的な書き方である。「起」と「承」で文章の流れを作っておいて、いったん「転」で話を流れからそらす。すると、読み手は「おや? 何だ?」と興味を高めるので、最後の「結」が効果を増すのである。

 論理的な文章を「起承転結」で書けば、「転」で興味を高めるどころか、「何だこの文章は。支離滅裂だ」と思われるだけである。実際、「起承転結で書きましょう」と書いてある文章が、「起承転結」で書かれていないことを見れば、「起承転結」が論理的な文章には向いていないことが分かる。

 では、論理的な文章は、どんな型を持っているかというと、総論―各論―結論である。

 まず総論で主張を述べ、次に各論でその主張を論証し、最後に結論で主張を繰り返すのである。最初に主張を述べるのは、主張を先に頭に入れておけば、各論の説明が、正しく主張を論証できているかを確認できるからだ。主張を知らずに各論を読んだのでは、最後まで読んだ後、「何だ、こんなことが言いたかったのか。では、さっきの各論がこの主張を正しく論証しているか読み戻って確認しよう」ということになりかねない。

 
 
◆ 内容紹介
論理的な文章を書くための世界標準の技法であるパラグラフ・ライティング。日本におけるその第一人者が「伝わる文章力」の極意を伝授