目指すのは穏健保守政党への鞍替え!? 鳩山元首相の引退で、残る「宿便」は菅元首相のみとなった野田民主党の純化路線とは
「トロイカ」も残るは菅直人ひとりのみ〔PHOTO〕gettyimages

 11月21日午後、鳩山由紀夫元首相は民主党本部で野田佳彦首相と会い、衆院選不出馬を伝え、その後の地元・苫小牧市で行なった記者会見で政界引退を正式に表明した。実は、野田首相は鳩山元首相という「宿便」を衆院解散・総選挙という「下剤」で取り除こうとしていたのではないか---。

 小沢一郎民主党元代表が7月に離党・国民の生活が第一結党後、野田首相が胸中に秘めていたことである。96年9月に鳩山、菅直人両元前首相が立ち上げた旧民主党と小沢・自由党が03年9月に合流、現在の民主党が誕生した。そして6年後の09年8月総選挙で大勝、念願の政権交代を果たした。

「トロイカ」と称された小沢、鳩山、菅の3氏は、紛れもなく民主党政権実現の功労者である。だが、第2期民主党は小沢氏の代表、幹事長時代を通じて政権党の座に就いたものの、常に「政治とカネ」の問題に晒された上に党内の「親小沢」と「反小沢」の対立が際立つようになり、主要政策でも一本化に苦しんできた。

「脱原発依存」を巡る路線対立も

 菅直人前首相の後を継いで代表・首相に就任した野田氏は、何時の頃からか「トロイカ」を往生させて党内の世代交代を促進するのが自分に課せられた「使命」と思い定めるようになったというのだ。そして12月16日衆院選の公示前に、先の通常国会で自らが主導した消費増税関連法案成立と同時に、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加表明を了承する「誓約書」提出を党公認の"踏み絵"にする純化路線は、野田氏にとって必然の帰結であった。

 消費増税関連法案採決で造反した鳩山氏に対しTPP交渉参加容認というさらに高いハードルを設置することで、留党・離党のいずれかの決断を迫ったのである。結果は、政界引退という予想外のものになった。

 鳩山氏という「宿便」は今回、「下剤」を使わずに取り除くことができた。さて次は、菅氏という厄介な「宿便」が残った。新刊を出版するなど「脱原発依存」に突き進み、意気軒昂な菅氏だが、よもや「誓約書」提出を拒むことはないはずだ。

 菅氏は再選を果たしたとしても、民主党が総選挙敗北・下野後には関西電力の大飯原発再稼働に続く東京電力の柏崎刈羽原発再稼働問題で決断をしなければならない。それは直ちに、「脱原発依存」を巡る路線対立からの民主党分裂を意味する。

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