2012.11.29(Thu)

技術的な資産を活かし、新しい提案をしなければ生き残れない時代です。
実はそんな時こそ「いい意味でのロス」が必要なのだと思います。

ナブテスコ 小谷和朗

週刊現代
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鉄道車両用空気ブレーキなどを製造していたナブコと、産業用ロボットの精密減速機などを製造していた帝人製機が'03年に合併。新たに生まれた企業がナブテスコだ。まだ知名度こそ低いが、自動ドアの国内シェア約50%で世界でもトップ、レトルト食品用充填包装機の国内シェアも約85%を誇るなど、数多くの得意分野を持つ優良企業だ。'11年6月に就任した小谷和朗社長(61歳)に話を聞いた。

 

技術的な資産を活かし、新しい提案をしなければ生き残れない時代です。 実はそんな時こそ「いい意味でのロス」が必要なのだと思います。こたに・かずあき/'51年兵庫県生まれ。'74年に関西学院大学法学部卒業後、帝人製機(現ナブテスコ)入社。'97年、帝人製機インドネシア現地法人副社長。'09年6月にナブテスコ執行役員、'10年6月取締役執行役員企画本部長に就任。'11年6月より現職。得意分野を活かし、積極的に海外にも進出している

知られざる
  自動ドアに〝自動〟と書かれたステッカーが貼ってありますよね。そこに『NABCO』と書いてあるものが弊社製品です。我々は長く「うごかす、とめる」技術を磨いてきました。自動ドアのほかにも、トラックのエアブレーキ、船舶用エンジンの遠隔制御システムなどでも高い世界シェアがあります。ところが・・・・・・まだ知名度が低い。「ナブテスコって、ナンデスコ?」というCMも流しています。この機会に社名だけでもご記憶いただけるとうれしいですね。

失敗論
  私は帝人製機に入社し、繊維機械の営業などを担当してきました。若手時代は失敗もしました。

  例えば、得意先様に見積もりを出すよう言われたのがとにかく忙しい時期で、しかも絶対、受注はないと思ったため、短時間でいいかげんな見積もりを作成しましたが、受注前提で話がまとまってしまったことから、過去の見積もりと整合がとれなくなり、顧客への説明に四苦八苦するほど、大変な勉強をしました(苦笑)。

  ただ、失敗は確実に私を成長させてくれました。そして今、企業は失敗しないような社員教育を施していますが、たまに〝それでいいのかな?〟と思うのです。私たちが若い頃、社員教育と言えば「いいから一人で行ってこい!」といったものでしたが、上司はちゃんと見ていて、失敗しても傷口が広がる前にサッと出てきて軌道修正し、また任せてくれた。「失敗」=「ロス」を含んだシステムが人を育てていたはずなんです。

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