「日本のカジノ王」が手がけるフィリピン・カジノ構想に暗雲! 4,000万ドルの不正送金疑惑でNGBライセンス剥奪の可能性も!
マカオのカジノ。左手にウィン・マカオの広告塔〔PHOTO〕gettyimages

 「日本のカジノ王」と呼ばれる岡田和生・ユニバーサルエンターテインメント(UE)会長が、約2,000億円を投じて比マニラ湾に面したリゾート地に建設する「マニラベイリゾーツ」に、暗雲がたれこめている。

 岡田氏は、「米カジノ王」のスティーブ・ウィン氏と組み、ラスベガスとマカオで成功を収め、初めて単独で比に進出、今年1月26日、VIP向けと一般向けのカジノホテル2棟の着工式を行った。

 ところが、認可を巡る過程で、「比カジノ規制当局首脳の側近に、UEから不正な資金提供の疑いがあり、米規制当局のネバダ州カジノ規制委員会(NGB)や米連邦捜査局(FBI)が、調査に乗り出している」と、11月16日、ロイターが報じた。

 UEにカジノ建設のライセンスを与えたのはアロヨ大統領の時代。「前政権の疑惑」ということもあって、アキノ大統領のスポークスマンが、19日、「比当局が捜査を開始する方針」と伝えるなど、疑惑が拡大化するのは避けられない。

アルゼUSAの口座から1,500万ドルが消えた

 予兆はあった。

 昨年8月、UEは、100%子会社のアルゼUSA元東京支社長が、在職期間中に500万ドルの不正送金に関わったとして、そのうちの一部、1億円の損害賠償請求訴訟を起こしている。アルゼは、UEの前社名。パチンコ・パチスロファンにとってUEよりも馴染みのあるアルゼが社名に入っているのは、「パチスロの次はカジノ」と見据えた岡田氏が、早くから米国現地法人を設立、ライセンスを取得していたからだ。

 それにしても、日米比をまたぐ事業で、そんな簡単に500万ドル(約4億円)もの不正が可能なのか。

 そう業界関係者が首を傾げていると、11月1日、UEは、元支社長だけでなく、部下の元企画管理部長と元財務経理部長を合わせた3人が、現役時代(3人とも既に退職)の2010年4月28日頃に1,000万ドルの不正送金を行ったとして、損害賠償請求訴訟を起こした。

 異常事態である。2つ合わせて1,500万ドルが、アルゼUSAの口座から消えた。

 疑問点が2つある。

 ひとつは、UEは創業者の岡田氏がすべての権限を握るワンマン会社である。そのワンマンの指示を得ずに、子会社幹部が、1,500万ドルもの資金をどうやって動かしたのか。後述するように、不法送金額はさらに増えて4,000万ドルにも達している。

 もうひとつは、訴訟の中身である。日本からの送金は、UE社香港法人・フューチャー・フォーチュン・リミテッドに送られ、それが不法だとして3人に損害賠償を求めている。フューチャー社の先の資金使途を調べ、損失額を確定して訴えているわけではない。3人に責任があるというなら、背任・横領罪の疑いさえ浮上する。もしそれが事実であれば刑事事件として訴えることもできる。なせぞれを追及しないのか。

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