注目のベルリン発スタートアップ、オフィス訪問記(後編)
Gidsy開設1周年にあたり地元テレビの取材を受ける、Gidsyの共同創業者Floris Dekker氏

 前回、「注目のベルリン発スタートアップ、オフィス訪問記(前編)」において、ベルリンのスタートアップ企業「Vamos」および「SoundCloud」への訪問レポートをお届けしましたが、今回はその後編。

 企業向けカスタマーマネジメントサポートサービスを運営する「bonusbox」と、ユニークな観光ツアーやローカルなイベントなどを扱うオンラインマーケットプレイス「Gidsy」のオフィス訪問記です。

bonusbox

 訪問先の4社のうち唯一、B2B型ビジネスに従事しているのが「bonusbox」。カスタマーごとに顧客コミュニケーションやロイヤルティプログラムをパーソナライズできるフェイスブックアプリ「bonusbox」をオンライン小売業者に提供し、新規顧客の獲得や既存顧客の囲い込みをサポートしています。

 2011年4月の創業当時から、ベルリンとブラジルのサンパウロという2つの拠点で事業を展開しているのも「bonusbox」の特徴のひとつ。共同創業者のPaul Gebhardt氏は、この経緯について、

 「インターンとして創業を手伝ってくれていたブラジル出身の学生(当時)から『ブラジルに帰国したいので、サンパウロでbonusboxの事業をやらせてくれないか?』との申し出があったことが、ベルリンとサンパウロの2拠点でスタートすることになったきっかけです。つまり、戦略的な意図から生み出された体制ではなかったわけだけれど、2014年W杯ブラジル大会や2016年のリオデジャネイロ五輪を控えて、ますます拡大傾向のブラジル市場にいち早くリーチできたのは結果としてよかった」

 と振り返っています。今後もグローバル化を進めて行く方針で、現在、次の進出先候補として、米国やトルコがあがっているそうです。

bonusboxのオフィスで事業立ち上げの経緯を語る共同創業者Robert Heesen氏(左)とPaul Gebhardt氏(右)

 「bonusbox」でのディスカッションでは、創業初期における組織マネジメントの課題についても意見が交わされました。

 同社共同創業者Robert Heesen氏によると、若い起業家の多くは、組織マネジメントはもちろん、人材の採用や育成の実務経験を持っていないため、"手探り状態"で日々の課題をクリアしているのが現状だとか。

 また、「bonusbox」の創業当時は、事業モデルや戦略がまだ明確ではなく、朝令暮改を繰り返したり、チームとしてのDNAの醸成に時間がかかったりしたことで、組織の内部が混乱し、「道半ばで去っていくメンバーも何人かいた」と語っていました。

 スタートアップ企業を形作っていくのは決して起業家だけでなく、彼らと運命をともにする従業員も相応の覚悟を持ち、日々刻々と変わる状況に対応できるだけの柔軟性を備える必要があるのかもしれません。

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