町田徹「ニュースの深層」
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90年代の不良債権問題の再来か!? バブル紳士の夢の跡・目黒雅叙園を舞台にしたみずほ銀行の「問題事案」

2012年11月20日(火) 町田 徹
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目黒雅叙園の玄関(正面)とアルコタワー(右)、アルコタワーアネックス (左奥)

 2005年に実刑が確定した旧イトマン常務伊藤寿永光や、表と裏の社会を 繋ぐフィクサーと呼ばれた許永中らバブル紳士が一攫千金を夢見て仕手戦の対象にした旧雅叙園観光ホテルの跡地で、またしても安易な皮算用の果てに思わぬ巨額損失を抱え込みそうになり、金融機関にとってご法度の「債権飛ばし」に手を染めた銀行がある。

 筆者の取材で初めて明らかになったもので、以前にも、この地で融資に失敗し、「ハゲタカ」の異名を持つ投資ファンドのローンスターに債権を投げ売りした過去を持つみずほ銀行(旧富士銀行)が、その銀行だ。

 同行は今年6月、他の銀行や大手商社、外資系証券会社を巻き込んで、デフォルト(債務不履行)寸前だった大口の資金供与先であるローンスターの子会社に借換資金を提供、最大で800億円に迫る可能性があった含み損の表面化にフタをする「債権飛ばし」に走ったのである。

 将来、損失が発生するリスクを抱えており、同行の経営の健全性に疑問符が付くことだけに問題はとどまらない。この融資の裏には、担保の一部に借地権が含まれるにもかかわらず、地主が借地権を解除しているという驚くべき事情がある。いわばみずほ銀行は、担保がないのに担保付融資を行ったわけで、会社法の「取締役の善管注意義務」違反の疑いが生じるのである。

 ここ数年、株価指標のうえで銀行の株価が一般企業の半分前後の安値で放置されてきた背景には、各行がリーマンショック後の地価下落に伴って今回のように回収が困難になった融資をたくさん抱え込んでいるにもかかわらず、損失の発生に備えて十分な引き当てをしていない問題が存在すると断じてよいだろう。

 みずほ銀行の不祥事は、「失われた10年」を引き起こした1990年代の不良債権問題の悪夢の再来を予言しているのかもしれない。日本経済に大きな影を落とす新たな難題の存在が浮き彫りになった格好なのである。

因縁の土地でジョーカーを引いたみずほ銀行

 JR山手線の目黒駅から、徒歩で3、4分。都内有数の桜の名所とされる目黒川を目指して狭い坂道を下っていくと、東京ドームの8割程度に過ぎない3万7142㎡の土地に巨大な建築物が折り重なるようにして林立する再開発地区に突き当たる。

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