「自衛隊合憲」も即答できない
鳩山連立内閣の「欺瞞」

支持率30%割れも目前

 鳩山内閣の支持率が急落している。3月12日に発表された時事通信社の世論調査では、内閣支持率は30.9%(-4.8%)、不支持は48.5%(+3.8%)となっている。支持率が30%を割るのも時間の問題だ。

 国民の間には、鳩山内閣への失望が広まっている。理由は3つある。第一は、政治とカネの問題である。どの世論調査を見ても、この問題に関する鳩山由紀夫首相や小沢一郎・民主党幹事長の対応に、国民の多くが不満を抱いていることは明白だ。確定申告の時期に、納税者は「脱税しても、首相なら許されるのか」という怒りを新たにしている。

 また、小沢幹事長には、幹事長、そして議員の座から降りてほしいという意見が多い。それは、田中角栄、金丸信と続いてきた古い自民党、とりわけ政官業の癒着構造のまさに嫡流が小沢氏であることに嫌気がさしているからである。

 両者が現在のポストに居座り続けるならば、内閣支持率が回復することはあるまい。

 しかも、小林千代美議員が北海道教職員組合から違法献金を受けていた問題は、民主党政権と労働組合との癒着を国民に印象づけた。小沢氏に代表される古い自民党的体質に加えて、労働組合の問題点も明らかになって、民主党への批判が強まっているのである。

 第二は、安全保障の問題である。

 普天間問題での迷走は、沖縄県民、とりわけ名護市民に大迷惑をかけている。本当に、民主党が主張していたように県外に移転してくれるのか、不安な日々を過ごしながら5月を迎えねばならない。この問題の解決に失敗すれば、鳩山内閣は退陣せざるをえないであろう。

 3月12日の参議院予算委員会で、唖然とする答弁が政府からなされた。福嶋瑞穂大臣が、自衛隊の合憲性をすぐには認めようとせず、委員会中断という事態になって、しぶしぶ認めたのである。

 防衛省の予算を審議している場で、自衛隊が違憲などとは言えるはずはない。しかし、社民党は、自衛隊も日米安保も認めてはいない。民主党は、よくもこんな政党と連立政権を作ったものである。

 国民の生命と財産を外敵から守るのが、政府の第一の仕事である。そのために国民は税金を払っているのである。ところが、連立政権のお家の事情で、その最低限の仕事すらできないのが鳩山政権である。もし、普天間基地が県外に移転されなければ、社民党は連立から離脱すべきであろう。また、当然鳩山首相は引責辞任すべきである。

非核三原則「持ち込ませず」は検討を

 核の持ち込みに関する密約の存在が大きな問題となっている。民主党は、これこそ政権交代の成果だと誇っているが、今なすべきなのは、非核三原則をはじめとする安全保障政策の再検討である。佐藤栄作内閣当時の国際情勢と国内事情とを考えれば、あの密約は苦渋の決断であったろう。

 しかし、その後、日本の国力も増し、国際情勢も変化した。非核三原則のうち、「作らず」、「持たず」まではよいとしても、「持ち込ませず」を堅持するのがよいのか、検討すべきである。

 アメリカは、自国の艦船に核兵器が搭載されているか否かは言わないことになっている。したがって、実際には、「持ち込ませず」といったところで、なすすべは何もなく、その意味では結果は同じである。しかし、周辺に核兵器を所有する国が存在するかぎり、核にる抑止は必要である。

 非核三原則を堅持する立場からは、戦略核があるから、それで十分だという意見もあるが、射程の短い戦術核の機能を完全に代替できるわけではない。この問題への取り組みも鳩山内閣の重要課題であるが、その問題意識すら持っていないのではあるまいか。

 第三は経済無策である。

 12日の参議院予算委員会での経済・財政問題集中審議で、私が質問に立ったが、鳩山首相や菅財務大臣に経済学の素養が欠けていることに不安になった。ただ、税制改正について、法人税減税と社会保障目的税としての消費税増税の方向性を首相から引き出せたことはよかったと思っている。

 しかしながら、総じて経済政策については、落第点しかつけられない。

 この内閣は早く退陣したほうがよい。

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