バーナンキ議長も否定した中央銀行「目標の独立性」に固執する野田首相では景気はよくならない!「安倍期待相場」ではやくも市場が動き始めた


前々回の総選挙は「郵政選挙」、前回は「政権交代」を掲げたシングルイシューだった。今回の選挙は、「消費税」、「原発」、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」など争点は盛りだくさんだ。

 いずれも重要な問題だ。たとえば消費税。野田佳彦首相は8月に消費税増税法案等が成立したら「近いうちに国民の信を問う」といった。これが今回の総選挙の原点だ。ただ、消費税の争点は、単純に「増税賛成、増税反対を問う」という単純なモノではない。

 消費税増税法案には、経済環境によって増税を見合わせる「景気条項」がある。目標として実質経済成長率2%、名目経済成長率3%を盛り込んでいる。これを無視して消費税増税を強行するかどうか、この最低条件を達成できるかどうかなど、政権運営で重要な点をチェックできる。

 また、地方分権の本気度も試せる。第三極の日本維新の会やみんなの党は消費税を地方税化せよと主張している。ヒト、モノ、カネを地方に移譲しなければ本格的な地方分権はできず、そのために消費税は必須だからだ。

日銀法改正を掲げる安倍自民党総裁を批判する野田首相

 こうしてみると、争点をいろいろな観点からみて、有権者は自分にあった政党を選ぶという責任がでてくる。さらに、ここにきて、前述の争点に加えて、争点としていつも選挙民の関心項目になっている景気が浮上してきた。

 9月17日付け本コラム(金融政策のイロハも知らない自称「金融財政のスペシャリスト」も登場!「経済政策」から見た自民党総裁選5氏の「通信簿」)で指摘したように、安倍晋三自民党総裁のマクロ経済政策は、自民党内でも群を抜き傑出している。

「安倍氏は、テレビでもデフレ脱却では日銀法改正を明確に主張している。また、『政府と日銀の関係について政策目標は同じくするべき。ただ、その手段は日本銀行が自由に使う。あるいは日本銀行の使命として物価安定もあるが、他の国では雇用を最大化するというのも入っている。そういうことも考えていくべき』と発言して、中央銀行の独立性について、マスコミは目標と手段の独立性を混同しているのに対してキチンと理解している。」

これは9月17日付け本コラムの一説であるが、安倍総裁はその主張を続けている。

 自民党の安倍総裁は、日銀法改正を検討する考えを表明している。日銀法改正の内容として「政府とともにインフレターゲット(物価安定目標)をちゃんともっていくこと。雇用に対して責任を負うことだ」と指摘した。また、2─3%のインフレ目標を設定し、無制限の金融緩和を行うべきだと主張している。さらに、来年4月に任期が切れる白川方明(しらかわ・まさあき)日銀総裁の後任には、インフレターゲットに賛成している人物を起用したい考えを明らかにした。

 こうした動きについて、野田佳彦首相は、「政府が金融政策の目標を定めるという主張なら中央銀行の独立性との関係で問題だ」と批判している。

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