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プロ野球コーチ 利口はやらないけどバカにはできない仕事 権藤博 吉井理人ほか今年もたくさんクビになりました人にものを教えるのはかくも難しい

2012年11月23日(金) 週刊現代
週刊現代

「名コーチ」と言われて、何人の名前が浮かぶだろう。「名監督」や「名選手」と比べれば、連想される数はうんと少ないはずだ。だが彼ら、「球界の中間管理職」がいなければどんなチームも回らない。

名コーチはなぜ退団したか

「特別なことはする必要がないんですよ。極論、選手にとってはコーチっていなくてもいいんですから」

 今季限りで日本ハムの投手コーチを退任した吉井理人氏は、コーチという仕事について、こう表現する。

 横浜やヤクルト、巨人などで30年以上コーチを務めた小谷正勝氏は、その職について、

「コーチ業っていうのは、『利口はやらぬが、バカにはできない仕事』って言われる。うまく言い表した言葉だと思います。特にバカにはできない、ってところに考えさせられるものがありますよ」

 と語る。プロ野球においてコーチとは、それほど「労多くして・・・・・・」な職業なのだ。

「監督とは意見が対立するところがあった。僕が邪魔になるなら辞めよう、ということです」

 吉井氏の退団劇は、会見での吉井氏の発言とともに、各メディアで〈監督との確執が原因か〉と取り上げられた。

 日本ハムが巨人に敗れ、日本一を逃した日本シリーズ第6戦の翌日(今月4日)、それぞれオリックス、ロッテに移籍する福良淳一ヘッドコーチ、清水雅治外野守備走塁コーチの「転職」とともに、吉井コーチの退団も発表された。

 吉井氏は、'08年のコーチ就任以降、ダルビッシュ有(現レンジャーズ)をはじめ、宮西尚生、増井浩俊ら、日本ハム投手陣の育成と整備に尽力し、その指導力は他球団からも高く評価されていた。

「僕は、選手側に寄り過ぎていたのかもしれません」

 吉井氏は、自身のコーチとしてのスタンスをそう言い表し、本誌の取材中、

「反省している」

 と、しきりに語った。今回の「退任」は、吉井氏から申し出たものだ。

「報道にあったように、監督との間に、いわゆるケンカや確執があったわけでもありません。シーズン中、選手の使い方について、何度か意見をぶつけることがあっただけです。でも『対立』という言葉は使うんじゃなかった。野手出身の監督と僕では意見の相違があるのは当然のことですし、チームをよくするためには、議論があったほうがいいわけですからね」

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