注目のベルリン発スタートアップ、オフィス訪問記(前編)
ベルリンのスタートアップ企業SoundCloudのオフィスでDavid Noel氏に話を聴く参加者たち

 スタートアップの"聖地"といえば、米カリフォルニア州シリコンバレーやニューヨークなどが有名ですが、近年、ドイツの首都ベルリンもスタートアップ企業が多く集まる都市として注目されています。

 2012年11月10日、ベルリンでは、現地のスタートアップ企業4社のオフィスを訪問し、創業者や経営陣とオープンに直接対話するという、ユニークなツアー型イベントが開催されました。オランダ人ジャーナリストのDerk Marseille氏がファシリテーターを務め、起業家の卵、フリーランサー、学生、非営利団体のファウンダー、ジャーナリストなど、多様なバックグランドを持つ人々がベルリン内外から参加。私も、ベルリンの"スタートアップ事情"を探るべく、これに参加してきました。

 今回はレポートの前編として、訪問先となった「Vamos」、「SoundCloud」、「BonusBox」、「Gidsy」の4社のうち、「Vamos」、「CloudSound」についてご紹介したいと思います。

Vamos

 訪問先の4社の中で一番"若い"スタートアップがVamos。ユーザの現在地周辺で開催されているイベントを簡単に検索できるスマートフォン向けアプリ「Vamos」を開発しています。

Vamosのオフィスで事業立ち上げの経緯を語る、最高経営責任者(CEO)Luis-Daniel Alegria氏

 共同創業者でCEO(最高経営責任者)のLuis-Daniel Alegria氏によると、そもそも「Vamos」を着想したきっかけは、「グーグル(Google)の検索機能やイベント情報誌『Time Out』などの既存メディアで提供される情報があまりにも広範で、とりわけ土地勘のない観光客や短期滞在者にとって、自分の嗜好に合ったイベントを探しにくい」というユーザ視点からの課題意識でした。

 そこで彼らは「観光客の"コンパス"を創る」とのコンセプトをもとに、イベンターやプロモーター、ライブハウス、クラブなどのイベント主催者とユーザをつなぐ新しいプロダクトを立ち上げることを決意。オフィスの賃料が高いロンドンから、コストが比較的低く、フレッシュな人材が集まっているベルリンへと活動の拠点を移します。そして英国、スウェーデン、デンマーク、ポーランドといった欧州各地の仲間とともに、2012年2月頃から本格的に開発を進め、12年8月には一般ユーザに向けてアプリケーションを公開しました。

 現在、Vamosの経営陣が注力しているのは、ビジネスモデルの構築です。従来は、新規事業の創出プロセスで、「ビジネスモデルを構築した後、プロダクトやサービスを開発する」という流れが一般的でした。それが近年では、「Vamos」も含む多くの技術系スタートアップの特徴として、「まずはシンプルなアイデアをベースにプロダクトの開発に集中する。プロダクトをリリースしたのち、ビジネスモデルを組み立てる」という、従来とは逆の流れから新規事業を立ち上げるケースが増えているようです。

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