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東京湾で不気味な小規模地震が頻発中 巨大地震の前兆はこんなにある 首都直下巨大地震 これが最終版「危険地帯」マップ
改修後の東京駅。地盤も建物も強固で信頼できる〔PHOTO〕gettyimages

 火災や木造家屋倒壊の危険などこれまでいくつもの危険度マップが公開されてきたが、巨大地震を生き抜くためにはまだ情報が足りない。キーポイントは隠れた「活断層」「谷地」「河川」だった---。

死者の8割が集中した場所

「日本だけではなく、いまや全地球規模で、地殻の活動が活発になっています。先日(日本時間10月28日)、カナダで発生したM7・7の巨大地震も東日本大震災と相通ずるものと考えていい。'04年のインドネシア・スマトラ島沖地震あたりから、ニュージーランド、日本、南米など環太平洋造山帯での地震活動は、非常に活発になっています」

 立命館大学歴史都市防災研究センターの高橋学教授はこう指摘する。実際、私たちの住む日本でも不気味な地殻の動きが起きている。

 たとえば、東京湾の最奥部だ。今年9月頃から、東京湾の中央部、羽田空港の東方約10~15km付近で、M1・0~2・0前後のごく小さな地震が頻発していた。そして、この動きは10月下旬まで1ヵ月近くにわたって継続したのだ。

 これらの小規模地震の震源は、深さ約20~30km。これは今年3月、東京大学地震研究所が「従来の想定より10km浅い位置にある」として発表した、最新の東京湾北部地震の震源モデルが示した深さ約25km付近という震源と、ほぼ重なる(参考・首都直下地震防災・減災特別プロジェクト最終成果報告書)。

 もし首都直下地震のひとつである、東京湾北部地震が起こればどうなるのか。今年4月に発表された東京都の被害想定によれば、死傷者は最大15万7252人、建物11万6224棟が全壊、20万1249棟が火災で焼失するとされる。

「『結局、地震の予知はできるのか、できないのか』。今秋の地震学会では、そんな議論になりましたが、いずれにしろ首都圏にも地震は確実に来ます。はっきりいつかは分からなくとも、それがさして遠い未来ではないということは多くの研究者が一致しているのです」

 前出の高橋学教授は嘆息する。

「いずれにしても、私たちが巨大地震に備えておかなければならないことには、何の変わりもありません」

 大変動期に生きる私たちは、たとえ専門家が予知に成功しようとしまいと、いつ巨大地震に襲われてもおかしくないのだ。

 そこで本誌は、通勤・通学や買い物、レジャーなどで多くの人が訪れる、首都圏の中心部に絞って、地域ごとの危険度が分かる詳細なマップの作成を試みた。

 まずは上のマップを見てほしい。これは従来、東京都などが公表してきた火災や建物倒壊などの危険度マップを重ね合わせた上に、独自の3つのポイントを追加した最終版と言うべきものだ。

 ポイントのひとつは、「現在は埋め戻されたり、暗渠(埋設された水路)になった河川や堀、海」の位置。

 なぜこうした「旧河道」に注目するのか。それは高橋教授が発表し、学界で注目された次のような研究成果があるからだ。

「阪神・淡路大震災で人が亡くなった場所を調べると8割以上が旧河道に集中していた。つまり、昔は川だったのに埋め戻されたり、川筋が変えられたりしている場所がとくに危険だと分かったのです」(同前)

 河川と同様に、湖や沼、海を埋め立てて作られた土地も地盤は弱く、危険性は高い。だが実際、都市のどこがかつて川だったのか、どこが海だったのか。東京の街を見渡してみても、いまとなってはまず、分からないだろう。

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