国営東電が認めた2次破綻リスク! 原発事故被害者も免れない理不尽な国民負担を強いる前に、自らが賠償の無限責任を全うせよ!
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 国営企業・東京電力が先週、ようやく2次破綻リスクを認めた。

 2013、14年度を対象にした「再生への経営方針」の中で、福島原発事故の後始末が「一企業のみの努力では到底対応し切れない」として、国有化に続く新たな国策支援を要求したのだ。

 だが、国有化後に東電入りした下河辺和彦会長ら社外取締役が策定を主導したためか、「再生への経営方針」を読むと、事故を引き起こした当事者であるという自覚の欠如に唖然とする。

 今必要なのは、原子力損害賠償法に明記された「無限責任」を全うさせて、除染を含む賠償のため、東電を破綻処理することである。さもないと、いつまで経っても被害者への迅速な賠償は実現しないだろう。

過少に見積られた調査報告書

 国営化という東電救済策の筋の悪さと避けて通れない2次破綻リスクの存在は、筆者が拙著『東電国有化の罠』や本コラム「賠償コストを極小化し原発再稼動を強行する国家的詐欺行為を許すな! 『不都合な真実』を隠し続ける政府と『東電国有化の罠』」(8月7日付)などで繰り返し指摘してきたものだ。

 はっきり言って、政府は、問題を先送りするため、過少見積もりと屁理屈を駆使して非人道的な施策を講じてきた。

 具体的に言うと、政府は、福島原発事故で不可欠になった「賠償」、「除染」、「廃炉」の三つについて、東電が原子力損害賠償支援機構から公的資金を借り入れて行うと責任逃れをしてきた。

 あわせて、血税を投入して、東電を国営化することによって、東電が時間をかけて、毎年の稼ぎの中から借りた公的資金を返済していくことが可能なスキームができると言い張ってきた。

 しかし、そもそも、このスキームの前提となった昨年10月の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士、現東電会長)の調査報告書が酷過ぎた。

 鳴り物入りの第3者委員会報告として野田佳彦首相に提出されたものだが、賠償、除染、廃炉のコストをそれぞれ4兆5,402億円、ゼロ(見積もり不可能)、1兆3,243億円(1~6号機合計)と、これ以上ないほど過少に見積もっていたからだ。

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