三大発明を生み、かつては世界の「技術」をリードした中国に「科学」が生まれなかった理由はこれだ!21世紀に中国から科学は生まれるか?

科挙制度が多数の庶民インテリたちを産みだした

 今回は、世界史的スケールで技術と科学の歴史を探ってみたい。世界史を振り返ってみると人類の歴史を切り開いてきた技術の多くの中国で生まれている。しかし、なぜか最後まで中国では科学は生まれなかった。技術は生み出してきたが科学を生めなかった中国。敢えて言うなら、西洋と東洋の違いはどこにあったのか少し考えてみたい。答えは官僚制と思想にあるようだ。

 世界史の中での人類に役立つ技術をリードしてきたのは間違いなく中国だ。世界の三大発明(火薬、印刷、羅針盤)が全て中国発であることは歴史学者によって確かめられた事実だ。ちなみに黒色火薬としても知られる火薬の歴史は9世紀の中国。不老不死の薬 を探し求めていた錬金術師によって発明されたと考えられている。

 また、中国は製紙技術のおかげで書物という形で知識を蓄えることができた。科挙の制度ができて、身分に関係なく出世できるフェアな官僚制度を世界で最初に作ったのは中国だ。ペーパーテストと儒教書物があって、初めて科挙が可能となる。

 書物を読んでペーパーテスト(科挙の試験)に備えた莫大な数の一般インテリが出現。身分によらず出世のチャンスを広く国民に提供したおかげで西欧でもイスラム社会でも実現しえなかった多数の庶民インテリを生んだことは技術が生まれる土台を作った。

 科挙制度が最高潮にあった宋の時代の受験者(3年に一度)は40万人を超えていたといわれる。このインテリ層が宮廷で知を競うことによって、火薬や羅針盤という技術が生まれ、洗練されていった。

 ちなみに世界で紙幣を最初に導入したのも中国。それから500~600年遅れて、西欧やアメリカで紙幣が生まれた。マルコポーロも紙をお金にする中国の創造力に脱帽だったという。

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