オバマ新政権と米国経済は"財政の崖"を乗り越えらるか?
〔PHOTO〕gettyimages

 11月6日の米国大統領選挙で、予想通りオバマ現大統領が再選を果たした。大統領選の前、金融市場では「ロムニーが勝てばドル高・円安。オバマが勝てばドル安・円高」との見方が有力だった。実際にオバマが勝ったこともあり、足元ではドル安・円高傾向になっている。

 この背景には、ロムニーが、中国に対して厳しい姿勢を採ることなどを明言していたことに加えて、FRBの金融緩和策に反対してことなどが考えられる。同氏は大統領選に勝利した場合には、FRBのバーナンキ議長を解任して、金融緩和策を止めさせるとまで発言していた。

 今回、オバマが再選されたことによって、取り敢えず、経済政策は現状維持が続くことになる。そのため、米国経済は横ばいの状況が続く可能性が高いだろう。問題は、年末に迫った"財政の崖"をいかに切り抜けるかだ。民主党と共和党との主張にはかなりの隔たりがあり、しかも残された時間が限られていることを考えると、楽観的な見方は禁物だろう。

最大の問題は"財政の崖"

 オバマ新政権にとって、最も差し迫った問題は"財政の崖"だ。今年年末にブッシュ減税の期限が到来することに加えて、法律で決められた連邦政府の財政赤字が上限に達することで、現在のままでは、来年年初から自動的に歳出を削減しなければならない。これらはいずれも、米国経済にとって大きなマイナスだ。

 大統領選挙と同時に行われた議会選挙で、上院は民主党が過半数、下院は共和党というねじれ状況を解消することはできなかった。ということは、これから年末までの間に、民主・共和の両者が妥協案を模索することになる。

 元々、共和党は小さな政府を、民主党は大きな政府を想定しており、両者の妥協案を見出すことは口で言うほど容易なことではない。しかも、それを年末までにやらなければならない。欧米社会では、通常、12月半ば以降、クリスマス休暇で金融市場などの機能が大きく低下する。それを考えると、残された時間はかなり限られている。

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