白河桃子×安藤美冬 【第3回】
「結婚したい」と言いながら、未婚であることを選び続ける女性が増えています

[左]白河桃子さん(少子化ジャーナリスト/作家)と、[右]安藤美冬さん(spree代表取締役/フリーランス)

第2回はこちらをご覧ください。

「養ってくれる男性と結婚したい」という流れに拍車がかかった

安藤: 話題は変わりますが、白河さんの『婚活時代』が出て大変な勢いで売れたのは2008年でした。あの本によって始まった婚活ブームは、当時流行っていたスピリチュアルブームとも若干重なるような気がするんですが・・・。

白河: そういえば、山田昌弘先生が「これだけ条件の良い男性が少ないとなれば、神頼みしかなくなるのもわかる」とおっしゃっていました(笑)。

安藤: 婚活ブームがスピリチュアルブームを作ったというよりも、すでにスピリチュアルブームがあって、そこに新しい婚活という概念がどっと重なったのではないかと思うんです。「神社に恋みくじを引きに行く」とか「結婚のためのお守りを買いに行く」といった特集記事を、よく女性誌で見ました。

白河: そういうのは本当にたくさんありましたね。今でもあると思いますけど。

安藤: そうですね、確かに今でも見ます。

白河: だから、やっぱり神頼みするしかないほど確率が低いということですよ。養ってくれる男性に巡り会う確率が。

安藤: 4年前と今を比べると、何か顕著な変化はありましたか? たとえば、神頼みではなく地に足を着けて現実的に結婚を見つめる女性が増えてきたとか、より専業主婦願望が強まってきたとか・・・。

白河: そうですね。この4年間を振り返ると、婚活ブームについては私自身の反省もあります。

 まず、「受け身で待っていても、もう地域も社会も会社もあなたを結婚させてくれないよ」というメッセージは女性たちに届いたんです。

安藤: すごく意義があったと思います。

白河: そこはよかったんです。「もう誰も助けてくれないから、自分で頑張ろうね」という部分は届いた。

 ところが、その頑張ることの方向性に、間違って受け取られてしまった部分がありました。すでにごく少数しか残っていなかった昭和型結婚、つまり、男性がメインで働いて養ってくれる結婚の形に向かって、皆さん、どーっと走ってしまったんです。でも、条件の合う男性の数が圧倒的に足りないのだから、そうやってもうまく行くはずがない。

 「自分で頑張ろう」という意識を持ってもらえたのはよかったんですが、女性たちの中の「昭和的な結婚観」を変えられなかったのは、失敗だったと思います。そこは全然ダメだった。しかもリーマンショックがあったので、さらに「食べさせてくれる人と結婚したい」という流れに拍車がかかりました。本当に、リーマンショックの影響は大きかったと思います。

安藤: 興味深いお話ですね。リーマンショックのせいで、「自活していかなきゃ」の方向ではなくて、「養ってくれる男性と結婚しなきゃ」の方に振れたんですね。依存的な方向というのでしょうか。

白河: そうなんです。ただ、今、未婚の女性たちが実際にすごく困っているかどうかというと、多くの場合、まだ大して困っていないんです。親もいるし、親元に住んでいる人も多い。つまり、「結婚したい」と言いつつ、実は未婚であることを選び続けている人が大勢いるわけです。こうして、「ジャッジと選択の結果、未婚である」という人たちがどんどん増えてきた。

 本人たちが気づいていないことを気づかせてしまうのが、ブームの役割でもあり、功でも罪でもありますよね。その意味で、婚活ブームによって、良い結婚を選ぶということに女性たちが気づいた部分は大きいと思います。それで、「自分はより良い結婚を選びたい」という意識がすごく強くなった。

安藤: ある種の選別意識が大きくなったんですね。

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