東電がギブアップ宣言で国に「新たな支援」を要請! 公的資金頼みの「ゾンビ企業」は早急に破綻処理して解体・売却すべきだ!
11月7日、新しい経営方針を発表した東京電力の下河辺会長〔PHOTO〕gettyimages

 東京電力が2013~14年度を対象にした「再生への経営方針」を発表した。PDFファイルでわずか2枚なので、ご関心の向きはぜひ現物を読んでいただきたいが、一読した感想は「なにをいまさら、都合のいい話を」という一言に尽きる。

 東電が言いたいのは、こういうことだ。

 原発事故被災者への賠償や除染、中間貯蔵費用だけで10兆円程度になる。それに巨額の廃炉費用を加えると「一企業のみの努力では到底対応しきれない規模となる可能性が高い」。

 一方で「当社の企業体力(資金不足、人材流出)は急速に劣化し始めている」。賠償、除染、廃炉の負担が「青天井で膨らんで」いくと「士気の劣化も加速度的に進む懸念が強い」。

 いまの原子力損害賠償支援機構法の枠組みだと「当社は巨額の負担金(注・機構に対する東電の借金返済)を超長期にわたって支払うためだけに存続する『事故処理専業法人』と化す」。あるいは「巨額の費用に対応するため公的資本を数兆円単位で追加投入することになれば、公的管理からの離脱は実質的に困難となり『電力公社』と化し」てしまう。

 だから「国による新たな支援の枠組みを早急に検討することを要請する」。

初めから出来もしない話

 これは、ようするにギブアップ宣言である。自分たちはいまのままでは、もうやっていけない。だから、国に「新たな支援」を頼んでいる。だが、さすがに支援の具体的中身については言及しなかった。そこまで図々しくは言えなかったのだろう。だが、広瀬直己社長は会見で「重荷を背負ったまま競争はできない」と正直に語っている。

 社長の本音は「自分たちはもう背負いきれないから、国が重荷を背負ってくれ」という話である。つまり賠償や除染、廃炉の費用は東電ではなく、国(すなわち国民)が負担してくれ、と頼んでいるのだ。

 こういう事態に陥るのは、最初に先の賠償支援機構法を作ったときから分かっていた。たとえば、私は2011年10月7日付のコラムで「今後、膨大な除染作業や海を汚染したために海外から求められるかもしれない損害賠償などを考えれば、(中略)10年返済どころか100年返済、あるいは1000年返済のようなひどい話にならないとも限らない」と指摘している。他のコラムでも書いたが、ようするに初めから出来もしない話、フィクションなのだ。

 今度の経営方針では、東電が支払う特別負担金(500億円)と電力各社が払う一般負担金(1,630億円、いずれも借金返済の原資)は、合計で年2,130億円と想定している。これで10兆円を返済しようとすれば、47年かかる計算だ。実際には、とても10兆円ではすまないだろう。100年かかってもおかしくない。

 事故を起こした東電はともかく、事故とはなんの関係もない他社にとっては、まことに迷惑千万な話でとても受け入れられないと思う。東電1社が背負うとすれば、10兆円で200年かかる。東電がいう「超長期」とは、つまり100年単位の話なのだ。

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