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[虎四ミーティング]
眞鍋政義(全日本女子バレーボール監督)<前編>「世界一の守備力とサーブ」

2012年11月09日(金) スポーツコミュニケーションズ

二宮: 今日は牛丼を食べながらの対談ということで、よろしくお願いします。眞鍋さんは牛丼はよく食べられますか?
眞鍋: 食べますよ。特に現役時代は、学生の時から「すき家」さんにはお世話になっていました。

二宮: バレーボール選手はみんな体が大きいから、3杯くらいペロリと平らげてしまいそうですね?
眞鍋: 今は1杯で十分な年齢になりましたが、若い時にはそのくらい食べていましたね。

二宮: さて、今回は 10月25 日に発売したばかりの新メニュー「3種のきのこ牛丼」です。
眞鍋: ……いやぁ、美味しいですね。バター風味ですけど、意外にあっさりとしていて、これは私のような年齢にはすごくいい。

中国戦勝利の裏にあった涙

二宮: 改めて、ロンドン五輪での銅メダル獲得、おめでとうございます。
眞鍋: ありがとうございます。選手たちは本当によくやってくれました。

二宮: やはり最大のヤマ場は、準々決勝の中国戦だったのでは?
眞鍋: そうですね。全日本女子はアテネでも北京でも、グループリーグは通過しても、準々決勝で敗退していたんです。ですから、選手にもスタッフにも「準々決勝の8月7日、とにかくこの日に勝つために我々はこの4年間、苦しい思いをしてきたんだ」と言い続けてきました。その準々決勝の相手が中国でした。中国はアテネで金メダル、北京では銅メダルの強豪ですからね。とにかく大変な試合になることは覚悟していました。

二宮: 一番の勝因は何だったのでしょう?
眞鍋: 集中力ですね。スコアを見てもわかる通り、5セット全てが2点差という大接戦だったんです。それを勝ち取ることができたのは、選手が最後まで集中力を切らすことなく戦ったからです。しかも、最終セットの最後は2度も相手にマッチポイントを迎えてからの逆転でしたからね。もう、本当に歴史に残る試合だったと思います。

二宮: 中国にはパワフルな選手が多い。粘って競り勝った最大の要因は?
眞鍋: とにかく、よく拾ってくれました。ブロックはそれほど止めていないと思いますが、レシーブに関しては全員で拾いまくりましたからね。

二宮: 最後は相手の方が根負けしたように見えました。
眞鍋: それはありましたね。日本の驚異的な粘りに焦ったのだと思います。

二宮: 眞鍋監督の采配もピタリと当たりましたね。特に最終セット、 16-16 の場面で大友愛選手に代えて、中道瞳選手をピンチサーバーに送りました。その中道選手がサーブで相手の守備を崩して、日本のコートに上がったボールを荒木絵里香選手がダイレクトで決めてマッチポイント。そして、最後は中道選手のサーブポイントで勝利しました。
眞鍋: あの中道のサーブは、本当に大きかったですね。実は中国戦の前まで、中道は悩んでいたんです。日本は中道と狩野舞子をペアにして“2枚替え”という戦略をとっていたのですが、ロンドンではなかなかそれがハマらなかった。これは日本だけではなく、金メダルのブラジルや銀メダルの米国も、“2枚替え”がうまくいっていませんでした。やはり、それほど五輪のプレッシャーというのは、とてつもなく大きいんでしょうね。“2枚替え”の時は、竹下佳江をベンチに下げますから、セッターは中道になるんです。ですから、「ゲームをつぶしたのは自分だ」と思って、中道は竹下に「すみません」というメールを何度も送っていたようです。そこで、中国戦の前に中道と狩野を呼んで、バスの中で話をしました。「心配ない。あのブラジルや米国もうまくいっていないんだから。これが五輪のプレッシャーというものなんだよ。オマエらにとっての五輪は、ここからだ」と言ったら、もう2人はボロボロ涙を流していました。そんなことがあった直後の中国戦で、あの中道のサーブでしたからね。彼女もあのサーブで救われた部分はあったと思いますよ。

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