「中国への売却」話が騒がれる馬毛島地権者が抱える政府への恨みつらみと、厳しい懐事情
馬毛島〔PHOTO〕wikipediaより

 鹿児島県種子島の西方15キロに位置する日本で二番目に大きな無人島(8.2平方キロメートル)が馬毛島である。

 この島の数奇な運命は後述するとして、尖閣諸島とは違い、「本土の喉元」といえるこの島に、中国企業が触手を延ばしてきているのだという。

 所有権者は馬毛島開発。オーナーは、都内で砕石販売の立石建設工業を営む立石勲氏である。

「中国へ売ったらたいへんなことになる」

 「中国系企業が買いに来ている」

 『週刊ポスト』(11月16日号)は、本人ではなく防衛省関係者の伝聞として「売却話」を伝えている。しかし馬毛島開発は、一代で立石建設グループを築いた立石氏が、1995年に買い取り、これまで150億円をかけて飛行場建設などを行ってきた。立石氏以外に決定権者も情報発信者もいない。

 「中国当局の息のかかった上海の不動産開発会社と、同じく上海のリゾート会社の2社が交渉を持ちかけている」という報道は、立石氏周辺から漏れたものだろう。

 「中国へ売却」となれば、騒動は必至だ。通信など安全保障上、問題のある施設が設置されても制限はできない。尖閣問題で日中関係が揺らいでいる時だけに、面白くない感情を持つ勢力もいよう。

 本来、立石氏は、防衛大学一期生の友人から「国防は30年、40年先を読まなくてはならない」という話を聞き、「防衛の要になる島」として馬毛島を購入しており、日本の"脅威"になるようなことは本意ではない。

 立石氏の知人は、中国への売却を明確に否定する。

 「立石さんにそんなつもりはない。『中国へ売ったらたいへんなことになる』と、本人の口から聞いたこともある。そう漏らしているのは、いじめた日本政府への怒りがある。さらに資金繰りも厳しくなっているという事情もあるのでしょう」

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