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アマゾン製品を売らない街の書店や量販店

いよいよ日本でも発売されるキンドル・ペーパーホワイト〔PHOTO〕gettyimages

 今月下旬にキンドル・ペーパーホワイトが発売されるなど、いよいよ日本での電子出版に本格参入するアマゾンだが、お膝元の米国では街の書店や量販店との間で摩擦が高まっている。理由は、アマゾンが余りにもビジネスの手を広げ過ぎたことによって、それらの業界との間で利害が衝突するようになったからだ。

 先日、米New York Times紙に掲載された「Booksellers Resisting Amazon’s Disruption」という記事によれば、アマゾンが出版する(紙の)書籍を、米国の大・小書店が自らの店舗で販売することを拒否しているという。

いつの間にか出版社になっていたアマゾン

 ちょっと、ややこしいので最初に説明しておくと、書籍販売を中心とするEコマースを主な生業とするアマゾンだが、数年前から同社自身が出版業に乗り出している。

 アマゾンは2009年に「アマゾン出版(Amazon Publishing)」という新部門を設立し、そこで「AmazonEncore」と呼ばれる出版ブランド(Imprint)を立ち上げた。このブランドでは、主にアマチュア作家の自己出版(Self Publishing:「自費出版」と訳しても構わないかもしれないが、従来の紙の出版物に比べて、かかる費用が格段に少ないので、「自己出版」と訳すことにした)を扱う。

 続く2010年には翻訳作品を扱う「AmazonCrossing」、2011年にはロマンス作品を扱う「Montlake Romance」、ミステリー作品を扱う「Thomas & Mercer」、さらにSFやホラー作品を扱う「47 North」など立て続けに新たな出版ブランドを立ち上げ、2012年には満を持して、大人向けの一般作品を扱う「New Harvest」を立ち上げた。これらの出版物は基本的に「電子」と「紙」の両媒体で発売される。

 こう見てくると、アマゾンはまず最初に、既存の出版業界との間で最も摩擦の小さい「自己出版物」から入り、徐々に領域を拡大して、最後にはあらゆる出版物を扱う本格的な出版社へと成長を遂げたことが分かる。そして今、既存の出版業界や書店との間で揉めているのが、今年立ち上げたばかりの「New Harvest」から発売される「The 4-Hour Chef(たった4時間の訓練で、貴方もシェフになれる)」という、一種の自己啓発本である。

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