賢者の知恵
2013年01月07日(月) 週刊現代

日本にいる「ノーベル賞級の名医」ベスト30 がん 心臓病 脳疾患 椎間板ヘルニア 白内障ほか病気ごとに本誌が特別調査

週刊現代
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 世界初の手術成功、常識を覆す画期的治療法の開発、圧倒的な症例数---日本には、世界に誇るべき名医たちが大勢いる。一見、遠くに感じる彼らの「神の手」は、万人に向けて差し伸べられている。

世界中に弟子が100人

 iPS細胞を作製した山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞に、世間が沸いた。だが日本には、医療の現場でも「ノーベル賞級」と言うべき実力ある医師が大勢活躍している。本誌は、世界に認められた「神の手」たちを総力取材。その治療を受ける方法までを、一挙公開する。

●工藤進英(大腸がん)

 人は一体どこまで速くなれるのだろう。陸上競技の話ではない。大腸内視鏡検査・治療のスピードだ。

 大腸に内視鏡を挿入し、どんな早期がんも見逃さず瞬時に切除する---消化器外科・工藤進英医師(昭和大学横浜市北部病院)は、ベテラン医師でも通常30分は要する工程を平均5分で終えてしまう。累積症例数は約20万例を突破。まさに神業だ。

 当然、工藤医師のもとには全国から患者が押し寄せる。そして、世界各国の志ある医師たちも教えを請いに訪れ、かつ招かれる。

「世界中に弟子がいます。台湾、中国、韓国だけでも100人ぐらいですね」

 彼の名を世界に知らしめたのは'85年、「陥凹型大腸がん」を発見し、「大腸がんは全てポリープ(粘膜の隆起)が悪化したもの」という定説を覆した功績による。陥凹型大腸がんは、内視鏡だからこそ発見できた悪性の早期がんだ。だがこの歴史的発見は長いこと相手にされなかった。欧米での症例がなかったからだ。

 流れが変わったのは'96年。パリで行われた公開内視鏡検査で、世界中から集まった医師が注視する中、陥凹型大腸がんを見つけた。

「それで一気に認められ、ヨーロッパの医師たちがサポートしてくれるようになりました。彼らは事実を突きつければ認めてくれて、どんどん動いてくれる。

 アメリカでも5年ほど前に認められました。NYタイムズが、『ドクター工藤の主張は正しかった』と掲載してくれたのです」

 最近は倍率500倍の超拡大内視鏡を駆使し、がんの定理を塗り替える研究に勤しんでいる。

「科学は常に変化します。僕も、自分が10年前にしていたことを自分で覆してきました。進歩するには、好奇心と正しいことを見抜く力が必要です。みんながやるから俺もやるというのは、ほとんど意味がない」

次ページ  数多の困難を乗り越え、世界的…
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