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これは酷すぎる!警察・検察の「反省」なんてみんなウソっぱちだった ネットなりすまし殺人予告 誤認逮捕の被害者が「恐怖の取調室」を語った

「警察・検察をハメてやりたかった、その動機が100%です」---真犯人は犯行声明でそう語った。ネット犯罪の進化に、警察はまるで対応できていない。そして、悲劇の冤罪事件が起きた。

他人事ではありません

 世間を騒がせている「ネットなりすまし殺人予告事件」で、大阪府警に誤認逮捕された北村真咲さん(43歳)の弁護人は、北村さんの怒りをこう代弁する。

「北村さんは、今回の事件に関して逮捕前から一貫して捜査に協力し、かつ否認していました。にもかかわらず、北村さんは逮捕・勾留されてしまい、著しい肉体的、精神的、経済的打撃を受けました。捜査に協力していたのに安易に身体拘束に踏み切った捜査機関(大阪府警)に対し、強い憤りを覚えます。

 また、逮捕された後も、捜査機関は北村さんの言い分を聞くことなく連日の取り調べを続けました。このような取り調べは、虚偽の自白を誘発するものです。この取り調べに北村さんが屈していれば、そのまま有罪判決を受けていたかもしれない。

 無実の人間が手錠をかけられ、身体拘束を受けることは、実際に犯罪を犯した人間が身体拘束をされることと比べ、著しく精神的負担が大きくなります。北村さんは現時点でも、一連の捜査についてまったく納得をしていません」

 取材を総合すると、大阪府警の取調室で繰り広げられたやりとりは、以下のようなものだった。

刑事「なあ、こっちが納得できる説明をしてくれへんか?」

北村さん「だから私じゃありません。絶対にやっていません」

刑事「そしたら、なんでパソコンのIPアドレスが一致するんや。理屈が通らへんやないか」

北村さん「それは・・・・・・わかりません。第三者が勝手にやったのかも・・・・・・」

刑事「第三者が、勝手にあんたのパソコンから送信したんか? 誰かにパソコン触らせたんか?」

北村さん「それは・・・・・・そんな記憶はありません」

刑事「そしたら、やっぱり理屈が通らへんやろ?」

北村さん「とにかく、私には身に覚えのないことです。信じてください」

刑事「信じてほしいんやったら、こっちを納得させてくれ、と言うとんねん」

 想像してほしい。この時の北村さんは、突然逮捕され、身柄を拘束されて密室の取調室で延々と取り調べを受けていたのだ。

 しかも、根負けしてやってもいない罪を認めてしまったら、この先の人生を犯罪者として生きていかなければならない。その恐怖感は想像を絶するものがあっただろう。

 そして、忘れてはいけないのは、この北村さんの悲劇がけっして他人事ではない、ということだ。まったく同じことが明日、あなたの身に起きても不思議はない。サイバー犯罪は、パソコンやスマホを使うすべての人間を一瞬にして「冤罪被害者」にする危険性をはらんでいる。

真犯人の犯行声明に記されていた「殺人予告」

 発端は7月1日、東京・杉並区に住む19歳の明治大学生が神奈川県警保土ケ谷署に逮捕されたことだった。横浜市のHPに小学校を襲撃する殺人予告(文面は右を参照)を書き込んだという、威力業務妨害の疑いだった。

 結論から言うと、これも冤罪だった。しかし、3日付のスポーツ新聞にはこんな記事が載っている。

〈明大広報課担当者は「事実関係を確認し、厳正に処分します」とコメント。商学部2年の女子学生は「明治の恥。大学のイメージが悪くなり、就活などで他の学生に迷惑がかかる」と憤っていた〉(日刊スポーツ)

 広報課が「厳正に処分」と言い切っているのが恐ろしい。「警察の言うことは常に正しい」「逮捕=悪い人」という図式は日本人の奥深くまで浸透している。

 記事には「男子学生は否認している」とあるが、このベタ記事を読んだ時点で冤罪を疑った人はほとんどいなかっただろう。

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