埋蔵ポテンシャルは全国で2347万kW分! 貴重な純国産再生可能エネルギー「地熱発電」の振興に向けた課題とは
柳津西山地熱発電所

 紅葉の磐梯山が初冠雪を記録した11月2日、新潟との県境に程近い福島県会津地方にある柳津西山地熱発電所を視察した。

 言うまでもなく、地熱発電は、燃料を輸入しなくても必要な資源を国内で賄える再生可能エネルギーだ。加えて、再生可能エネルギーの中で、唯一、天候に左右されることなく一定量の電力を安定的に確保できる「ベースロード電源」として活用し易いという長所も備えている。

 柳津西山で目にしたのは、そうした地熱発電の優位性に胡坐をかくのではなくて、使用済みの熱水や噴出物を冷やして地中に戻して資源の減少を防ぐ仕組みや異臭を取り除く装置の設置といった環境への真摯な配慮だった。

 世論の期待の高まりにもかかわらず、なかなか盛り上がらない地熱発電の開発機運を刺激するには、もう一段の規制緩和による開発コストの削減や、万が一に備えた周辺の温泉業者などへの補償ルールの確立も必要かもしれない。

開発の期待が改めて高まる純国産エネルギー

 以前にも本コラムで紹介した(3月13日付『羊頭狗肉の規制緩和 地熱発電を阻む環境省のレンジャー魂』)が、簡単におさらいしておこう。

 地熱発電は地下から蒸気や熱水を汲みあげて、その圧力でタービンを回して発電をする仕組みだ。その最大の特色は、再生可能エネルギーの中で稼働率が最も高い点にある。

 現在運転中の設備の稼働率をみると、太陽光が12%、風力が20%に過ぎず、高価な蓄電設備を組み合わせないと、需要のピークにあわせた効率的な電気の供給が難しいのに対して、地熱のそれは70%に達しており、原子力発電や火力発電に代わる得るベースロードの電源として将来が期待されている。

 特に日本は世界有数の火山国だけに、全国に埋蔵されている資源は豊富だ。資源エネルギー庁の調査によると、全国には2347万kW分の資源が埋蔵されている。これは、単純計算で大型原子炉23.5基に匹敵する電源だというのだ。輸入に依存せざるを得ない石油、天然ガス、石炭といった化石燃料とは異なり、貴重な純国産エネルギーとあって、開発への期待が改めて高まっているわけである。

 そうした中で今回、視察した柳津西山地熱発電所は、最大6万5000kWと発電所1機あたりの出力で日本一を誇る地熱発電所だ。大型ならば出力100万kW級が珍しくない原子力発電所と比べると、規模では見劣りするものの、全国18ヵ所の地熱発電所の平均からみれば、その2.2倍の規模を誇る大型の地熱発電所と言える。現在、常時2万5000kW前後の発電をしており、会津地方の7000世帯に電気を供給しているという。

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