ポピュリズムの跋扈を許す「不合理」な小選挙区制度の改変なくして、政界の人材劣化を止めることはできない!
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 日曜日の朝、NHKの『日曜討論』に出演した。「14党の代表に問う」という企画であったが、2時間を超える放送時間となった。それにしても14党というのは多い。なぜこうなったのか。

 そもそも、選挙区制度改革で小選挙区制を導入したのは、政権交代の可能な二大政党制を実現させるためだという理由からであった。

 確かに政権交代は実現した。しかし、同時に小政党の乱立という現象が副産物として生まれた。理想や理論や学説通りには行かないのが、現実の政治の世界である。

政治の世界で人材の劣化が生じるのは、当然

 かつての中選挙区制度の下では、自民党の長期政権が続き、派閥の弊害が指摘された。それは、定員が3~5の選挙区で、同じ政党に属する候補者が争うために、定員の数だけ派閥が生じる。三角大福中という五大派閥がその典型である。その結果、国会議員の政治活動は、派閥や個人後援会単位になって、近代政党が育たないという批判が展開された。

 自民党は、いわば派閥による連立政権のような形となり、派閥が戦闘単位となって、総裁選挙を戦い、その結果に応じてカネやポストという権力の配分が行われたのである。しかし、派閥間で切磋琢磨が行われ、政策にも幅が生まれ、広範な意見を吸収できる国民政党に育っていった。まさに、それこそが自民党が長期政権を維持できた理由の一つであった。

 さらに言えば、中選挙区制においては、専門家の国会議員の存在が可能であった。農政の専門家、防衛問題の専門家、商業の専門家など、ある分野に特化していても、有権者の2割程度の支持で当選できたので、当選回数を重ねることができた。

 ところが、小選挙区制度では、当選には過半数の支持が必要なので、何でも屋でなければ当選できない。多くの分野に精通するのも、政治家としては必要な資質ではあるが、専門分野を持った職人的な政治家がいてもよい。

 しかも、ポピュリズムが跋扈する今日、小選挙区での当落は、候補者の資質よりも、その時々のブーム、風といったものに大きく左右される。結果、小泉チルドレンや小沢ガールズ(そして次は橋下ベイビーズか)などが、勝っていく。

 前途有為な優秀な若者が、候補者個人の能力や努力に関わりなく当落が決まるような「不合理な」選抜システムに応募しようとするであろうか。政治の世界で人材の劣化が生じるのは、当然である。

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