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年内総選挙の全情報 第1部 石原慎太郎 80歳の決断もむなしく新党はわずか5議席しかとれない「橋下維新」は100議席獲得へ

 石原慎太郎が齢80にして立ち上がった。見据えるのは解散総選挙だ。どんなに野田首相が逃げようと、「審判の日」は目前に迫っている。そしてその日、最後に笑うのは西から来るあの男かもしれない。

なぜ今辞めたのか

 政界では、いったん消えたはずの「年内解散総選挙」の気配が、再び濃厚に漂い始めている。

 その象徴が、10月25日に突如として、東京都知事辞任と新党結成、国政再挑戦を表明した石原慎太郎氏の決断だ。この日午後3時、石原氏は辞表を懐に入れて都庁の会見場に登場。

「命あるうちに、最後のご奉公をしたい」

「日本を支配する硬直した中央官僚の制度を変えないといけない」

 などと述べ、国政復帰への強い意欲を示した。

 都知事を辞任する場合、辞任表明から30日以内に辞める場合は、議会の承認を得なければならない。そして後任の都知事を決める選挙は、辞任の申し出からおおよそ50日後に行われる。

 この〝スケジュール〟も、まさに野田政権の終焉、そして年内解散を見越してのものと言えるだろう。

「野田首相や民主党の輿石東幹事長らが図っているように、解散が来年まで先延ばしになるなら、すぐに新党を結成する必要はありません。『年内』をターゲットと思うからこそ、準備を始める必要があった」(全国紙政治部デスク)

 石原氏の決断について、政治評論家の浅川博忠氏はこう話す。

「80歳の高齢とはいえ、石原氏はビッグネームなので、瞬間風速的な効果は大きいと思われます。野田政権が狙っているような、来年の衆参ダブル選挙になってしまえば、その効果が薄れて先細りになってしまいます。しかし、『年内解散』であれば、その最大風速の効果を発揮できる」

 石原氏の新党結成に向ける情熱は、このところ相当強くなっていた。都知事辞任を発表した数日前から、亀井静香元金融相の携帯電話には、幾度となく石原氏から「勧誘」の電話が入っていたという。

 亀井氏は以前に、石原氏を担いで新党を作ろうとしたが、当の石原氏に逃げられて煮え湯を飲まされた経緯もあり、現在の関係はかなり微妙。それでも石原氏は、「亀ちゃん一緒にやろうや」と、しつこく新党参加を求めたという。

 石原氏により、会見で都知事の後継者候補として名前が挙がった猪瀬直樹副知事は、こう語る。

「今の日本には、官僚機構をきちんとコントロールできるような〝元老〟が存在しません。山県有朋や西園寺公望のような元老がいれば、戦時中の日本の軍部はあんな暴走はしていなかったはずです。

 現代にも元老が必要で、石原氏こそがそんな存在です。政治家として大きな決断を行い、国政の方向を示す政治家として、石原さんのような人が必要とされているのだと思います」

 石原氏は後任として猪瀬氏の名前を挙げたが、一方で永田町からは、自民党候補として小池百合子元防衛相などの名も上がる。さらに、前回'11年の選挙で石原氏の対抗馬だった、東国原英夫前宮崎県知事が、再出馬を狙う可能性も高い。

 野田佳彦首相は、石原氏の辞任・国政進出会見を受け、「都知事なりの考えがあって行動されたのだろう」と言葉少なだった。だが、これでいよいよ政権が追い詰められたのは間違いない。石原新党の結成にあたり、民主党議員の中には合流したいと考える議員たちが出ている。いま民主党から衆院議員が5人抜ければ、与党は過半数割れし、特例公債法案の審議などもできなくなる。

 そもそも民主党内ですら、「野田首相は終わり」とばかりに、「反野田」「野田下ろし」の気運が高まっているのが現実だ。

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