[プロ野球]
上田哲之「ジャイアンツと巨人」

 昔、将棋の大山康晴名人が、なぜか当時まだ若手だった中原誠現十六世名人を苦手にしていたことがあると記憶する(ちなみに、将棋にはまったく詳しくないのですが)。もしかしたら、その現象と似たような側面があるのかもしれないと思うのが、前田健太(広島)と大島洋平(中日)の対戦成績である。

 前田健太は、なぜか大島を、ブレイクする前から苦手にしていた印象がある(マエケンを大山名人に比するのはいかがなものか、というご批判があるかもしれない。あくまで構図が相似形だという話です)。昨季など、どうしてこうも簡単に打たれるのだろうと不思議になる試合もあったほどだが、今季の大島を見ればそれも納得できる。目覚ましい成長を遂げたものだ。

 ちなみに今季、前田健vs.大島は19打数9安打、通算で3割3分3厘。「低めの変化球をうまく拾われた」というのがマエケンのコメントである。確かにもともとマエケンが武器とする低めの変化球への対応は柔軟な打者だった。だから打たれやすかったということだろう。今季は、単に対応するだけでなく、さらにそれをヒットにする力がついて飛躍したのである。大島もWBC日本代表の有力候補に躍り出た、と言えるのでしょうね。

 その大島はなんとか打ったけれども中日はクライマックスシリーズに敗退して、日本シリーズは巨人対北海道日本ハムの顔合わせになった。結果オーライにすぎないが、まあ、良かった。やはり、日本シリーズは、セ・パ両リーグの優勝チームで争われるべきである。