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もはや教祖!橋下も霞んだ小泉進次郎「薩摩降臨」
進次郎氏が「ここには立派なオゴジョ(娘さん)がおられますねえ」と方言を交えて女心をくすぐると、観衆からは一際大きな黄色い声が飛んだ〔PHOTO〕本多治季

「加世田のみなさん、こんにちは。ありがとごわす」

 10月21日、鹿児島県南さつま市の加世田運動公園で自民党の小泉進次郎青年局長(31)が方言を交えて挨拶をすると、「キャー!」「進次郎さーん!」と黄色い声が飛び交った。進次郎氏に少しでも触れようと3000人超の観衆が手を伸ばす姿は、さながら〝教祖と信者〟のようだ。

 松下忠洋前金融担当相の自殺に伴う衆院鹿児島3区補欠選挙が、10月28日に投開票される。進次郎氏はその応援演説にやって来て、主役であるはずの立候補者、自民党元職の宮路和明氏(71)を完全に喰ってしまったのだ。

「『つけあげ(さつまあげ)』は美味しいんですが、つけあがっている民主党はまずいんです。でも、民主党は、決して悪く言われることだけではありませんよ。よく民主党は、『ブレる、ブレる』と言われますが、ちゃんと彼らは彼らなりにブレない筋を持っています。それは、『解散したくない』というところです」

 ご当地ネタを交えながらジョークを飛ばす進次郎氏。この鹿児島県の加世田地区は、彼の祖父である小泉純也元防衛庁長官の故郷ということで、聴衆から「おかえり~」と声を掛けられると、進次郎氏も感無量だったようだ。

「 '01年に小泉純一郎元首相(70)が、大相撲夏場所で優勝した貴乃花関に賜杯を授与する時に『感動した!』と絶叫したが、『その時の父の思いに似た感慨を持ちました』と話していた」(自民党幹部)

街頭演説場所から移動する宮路氏。選挙の行方を尋ねると「ハハハ」と笑うばかりだった。後ろ姿が寂しい

 一方、宮路氏は、進次郎氏に近づこうとする観衆に押しのけられていた。本誌記者が話しかけると「進次郎さんの人気はすごいね。自分の人気じゃないから、これはね」と話し、また群衆の波に呑み込まれていった。選挙カーからは「みなさん、宮路候補も歩いております。宮路候補もよろしくお願いします」とアナウンスが流れていた・・・・・・。

〝教祖〟にすがる安倍総裁

 このフィーバーの前日の10月20日、「日本維新の会」の橋下徹大阪市長(43)が初の全国遊説をこの鹿児島からスタートさせていた。「週刊朝日」の連載をめぐる騒動で世間の耳目を集めていたにもかかわらず、鹿児島市内の繁華街で行われた橋下市長の街頭演説に集まった観衆は、数百人だった。

「鹿児島から熊本、福岡と遊説したのですが、西南戦争の激戦地だったことになぞらえて『熊本を制するものは日本を制す』と話したり、聴衆に『今の体制で行くのか、平成の体制を築き上げるのか』と迫っていましたが、具体的な改革の内容など政策に関する話はほとんどありませんでした。公約に掲げているTPP交渉への参加の話をすれば、農家が多い九州では反発が起きる。それを恐れたのでしょう」(地元紙記者)

〝維新旋風〟が大阪限定であることが改めて浮き彫りとなったと言えよう。結局、進次郎氏の街頭演説には鹿児島県内4ヵ所で計1万人近くが詰めかけた。

 橋下市長も霞んでしまう人気を誇る進次郎氏。現在、自民党では、〝最も忙しい議員〟だと自民党関係者は口を揃える。

「自民党にとって次の選挙は現職組はもちろんですが、落選組がどれだけ〝返り咲き〟を果たせるかがカギを握る。『小泉元首相の人気も凌ぐんじゃないか』と安倍晋三総裁(58)も漏らすほどの人気を誇る進次郎の元には、落選中の前職のほぼ全員、180人近くから応援要請が来ています。年が押し詰まれば、進次郎は毎日どこかに応援に出かけなくてはならない」

 ちなみに、応援要請第2位は石破茂幹事長(55)だというが、二人の依頼数の差はダブルスコアが付くほど。進次郎人気にあやかろうとする勢力から、こんなプランが提案された。

「党内から『進次郎を党の要職に押し立てて、前面に出してもらいたい』という要望が執行部に届いている。その人気を逃す手はないと、安倍総裁も『青年局長と報道局次長だけで置いておくのはもったいない。幹事長代行か代理の補佐、国際局と組織運動本部や選対本部も任せられないか』と、彼の〝昇進〟を石破氏に持ちかけているらしい」(前出・幹部)

〝教祖〟に救いを求めているのは、民衆だけではないようだ。ご利益があるかは定かではないが・・・・・。

「フライデー」2012年11月9日号より

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