年内解散か? 先送りか? 政権奪回に自信を強める安倍自民と、3党合意破棄&総選挙大敗の可能性に進退窮まる野田政権
〔PHOTO〕gettyimages

 臨時国会が始まった。最大の焦点は会期中に野田佳彦首相が衆院を解散し、年内に総選挙があるかどうか、だ。先週のコラムで、私は12月16日に都知事選と衆院のダブル選挙がある可能性に触れたが、このシナリオはいまも消えていない、とみる。

 もちろん解散するかどうかは野田佳彦首相の腹一つである。ただ政権を取り巻く状況をみると、野田が解散を年明けに先送りしたところで、野田と民主党にとってプラスになる材料はほとんどなく、むしろマイナス材料が増えるばかりに思える。

 野田が合理的に考えるなら、年内の解散と総選挙に踏み切ったほうが得策、というか痛手が少ない、と判断する可能性は十分あるのではないか。

「いずれ政権奪回は確実」と自信を強める自民

 情勢を整理しよう。

 自民党にはもともと、本年度予算案にはムダやばらまきが多いので、1兆2,000億円程度の減額補正予算を組めば特例公債法案に賛成してもよいとする柔軟対応論があった。総裁選当時は石破茂幹事長もこの路線だった。ところが安倍晋三総裁が誕生してから、それに加えて「年内解散の確約がなければ特例法案に賛成しない」とハードルを上げ、北風の強硬方針に転じる。

 だが、野田は頑として応じない。そこで特例法案に賛成し、野田から解散しない理由を奪う太陽作戦に転じつつある。実際、安倍は10月31日の衆院本会議・代表質問で、特例公債法案や1票の格差是正、さらに社会保障改革に関する国民会議設置について「重要性を十分に認識している」と述べた。

 表面的には対処方針が揺れ動いた印象もあるが、国会開会前と後で対応が変わるのは自然な流れでもある。なぜなら、国会開会前から「解散確約がなくても特例法案に賛成しますよ」などと言えるわけもなく、いざ開かれれば、テレビ中継も入った審議で復興予算の流用問題などを追及したほうが野田の失政を際立たせることができるからだ。

 ひと渡り追及した後で、さて採決はどうするかといえば、その段階でもう一波乱二波乱ある可能性はある。とはいえ、自民党があくまで反対すれば「国民生活を混乱させるのか」という批判が出るのは避けられない。

 自民党内には「当初の方針通り、減額補正して賛成」という立場と「このまま成立させ、いずれ政権を握った後で修正すればいい」という両論がある。流れは「このまま成立、後で修正」という路線に傾きつつあるようだ。「いずれ政権奪回は確実」という自信が強まっているからだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら