郵政民営化担当大臣が早期の上場準備を指示! 10兆円の復興財源を生む日本郵政株式上場に残された課題とは
日本郵政HPより

 順調にいけば、10兆円前後と、国の一般会計予算の1割に相当する巨額の財源になってもおかしくない、政府保有の日本郵政株の売却・上場問題がようやく本格的な議論の俎上にのぼった。

 議論の直接のきっかけは、日本郵政の経営体制の刷新が完了したことを受けて、野田第3次改造内閣で郵政民営化担当大臣に就任した下地幹郎・国民新党幹事長が10月初め、株式の早期の上場準備を日本郵政に指示したこと。

 当の日本郵政では、3年後の2015年秋にも上場を実現できるように経営基盤を強化する計画作りに入ったという。

 これは確かに重要な施策であり、納税者の一人としてこれ以上の安易な増税を防ぐためにも、早期に実現してほしい話である。

 だが、競争の激化を嫌う銀行の反発をどう抑えるかなど、かつて"銀行と郵政の100年戦争"と称された問題が今なお、ハードルとして横たわっていることも否定できない。

 今回は、依然として横たわる問題点と、その打開策を探ってみたい。

2007年の小泉郵政民営か以来の懸案

 まず、直近の流れを整理すると、日本郵政では、改正郵政民営化法に盛り込まれていた郵便事業会社と郵便局会社の統合が10月1日付で完了し、新体制がスタートした。

 今回の議論の本格化の背景には、この新体制によって郵政が上場できる状況になったことを受けて、昨年11月成立の「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(復興財源確保法)の附則第13条に規定された租税収入以外の復興債の償還資金として、政府が、日本郵政株の売却準備を進める決定をしたことがある。

 下地大臣が10月初めに指示した早期の上場準備は、こうした政府の方針に沿って、日本郵政の対応を促すものだったわけだ。

 そもそも、政府保有の日本郵政株の売却自体は、2007年の日本郵政公社の株式会社化(小泉郵政民営化)以来の懸案だったものの、民主党への政権交代の際に株式売却の凍結法案が可決されたため、改正郵政民営化の施行を待たざるを得ない形になっていた。

 日本郵政と言えば、国営事業として明治4年(1871年)に近代郵便サービスを開始して以来、すでに140年を超す歴史を持つ。全国に2万4514の郵便局を配置し、従業員数も約44万人に達している。我が国で最大規模を誇る事業体のひとつだけに、多くの読者の身近にも存在しており、抜群の経営の安定性を誇っていると言ってもよいかもしれない。

 しかし、株式の上場には、一筋縄ではいかない大きな課題が残されている。

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