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徹底追及 原子力規制委員会「家賃が月4300万円の噴飯」事務所
10月17日の定例会議での田中委員長。「放射能が一番拡散したのは、去年の3月15日でしたね」と他人事のように発言していた

 原発事故の収束と再発防止に向け、「原子力規制委員会」(以下、規制委)が発足したのは9月19日のことである。それまで原発を推進する「資源エネルギー庁」と原発を規制する「原子力安全・保安院」が同じ経済産業省の管轄下にあったので、規制委は中立性を保つために環境省の外局として誕生した。委員長は、日本原子力学会元会長の田中俊一氏(67)である。

「規制委の最大の課題は、二度と原発事故が起きないように再稼動の安全基準を明確にすることです。しかし455人の職員は経産省や文部科学省、警察庁など各省庁の寄せ集め。組織として機能しておらず、安全基準を示すには相当な時間がかかるでしょう。しかも委員長の田中氏は『安全性を確認するのが役割で、再稼動の判断はしない』と及び腰。再稼動の責任を、政府や電力会社に丸投げしているんです」(全国紙原発事故担当記者)

規制委が入っているビルの3階の様子。ガランとして業務が行われている様子はない。これでも税金は投入されている

 規制委の事務所は、東京の一等地に建つ『六本木ファーストビル』(港区)という、高級オフィスビルに開設された。実はこの事務所の維持費に関して、重大な問題が指摘されているのだ。同ビルに詳しい不動産関係者が明かす。

「規制委は、このビルの6つのフロアーを借りているんです。それだけ多くのフロアーを独占していたら、家賃は1ヵ月で4000万円を超すでしょう。民間企業では考えられない贅沢さです」

 六本木ファーストビルはアメリカ大使館やオランダ大使館の近くにあり、側面が総ガラス張りの瀟洒な造りだ。地上20階で地下は4階。多くの木々に囲まれ、都心とは思えないほど静かな環境にある。前出の不動産関係者が続ける。

「『メルセデス・ベンツ』や『マッキンゼー・アンド・カンパニー』など、外資系を中心に20社ほどの一流企業がオフィスを構えています。地下にはイベント用のホールもあり、セキュリティーはしっかりしていますよ。エントランスだけでなくエレベーターホールにも警備員がいて、各オフィスにはオートロックのドアが付いている。簡単には内部に入れません。1フロアーの広さは約1100m2で、家賃は月に600万~800万円ほどです」

今年度の予算は6億円以上

 同ビルのエントランスには案内板があり、どの団体の事務所が何階にあるのか明記されている。だが規制委だけは「原子力規制委員会」という名前を掲げているだけで、階数が表示されていない。もちろん規制委の事務所維持費は、国民の税金で賄われている。「家賃が月に4000万円以上」という証言が本当ならば、噴飯ものだ。だが規制委に問い質すと、驚くべきことに悪びれる様子もなく、あっさりと事実関係を認めた。

六本木ファーストビルの威容。'93年10月に竣工。規制委の事務所内はまだ雑然としていて、段ボールなどが散乱している

「全部で6つのフロアーを借りていて、総床面積は6009・5m2になります。賃料は1ヵ月に4346万5271円です。契約は8月11日に行い、入居したのは9月に入ってから。賃料はエネルギー対策特別会計から支出され、今年度は6億684万円の予算が計上されています。エントランスにフロアーを表示していない件については、関知していません。特に意図はないと思います」(広報課)

 月に4300万円という金額が、いかに庶民感覚からズレた数字であるか、まるで分かっていないような対応である。六本木ファーストビルを選んだ理由については、以下のように回答した。

「(官公庁の多い)霞が関で物件を探したのですが、適当なものがありませんでした。それで首相官邸に近く耐震性が高いという条件で検索したところ、このビルが最も適していたんです」(広報課)

階数表示のない規制委の案内。実際には2~6階と13階を借りている

 被災地や原子力の問題を取材している、ジャーナリストの桐島瞬氏が憤る。

「一つの公的機関の事務所に、それほど高額の税金が費やされるなど聞いたことがありません。450人ほどの職員には、広過ぎる環境でしょう。本気で被災者や原発の問題を考えているなら、移動しやすい新幹線の駅や空港の近くに事務所を置くべきです。都心一等地の高級ビルに借りる必要が、どこにあるのでしょうか」

 税金で高級オフィスビルを使うことに、何の疑問も感じていない規制委。彼らに国民の安全は、とても任せられない。

「フライデー」2012年11月2日号より

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