2012.11.01(Thu)

「映画とはプロダクションがやる
血みどろの賭博。
社長は血の勝負師であらねばならない」
社長室に飾っている言葉です。

日活 佐藤直樹

週刊現代
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映画一筋 '96年大映時代。『平成ガメラ』のテレビゲーム内で使う特撮映像の合成をしている時の一枚。左下が佐藤氏

豪放磊落
  私が尊敬する方は、徳間書店の創業者・徳間康快さんです。私が大映に所属していたとき、大映の社長をされていたんですが、豪放磊落な方で、例えば「次回作の主演はダイアナ妃!」と突然発表したり、大きな予算の企画を立てる時も、自信満々に「カネならあるぞ!銀行に!」と言う。部下への叱責も厳しく、私は「窓から飛び降りて車に轢かれて来い!」と言われました(笑)。


  私は常々「日本の外に出よう」と社員に伝えています。弊社は今、国際共同製作に乗り出しました。実は、徳間さんはいち早く国際共同製作をした方で、時代を見通す力で産業全体を俯瞰で見ていたのです。社長となった今、ようやく当時の徳間さんの言葉の数々が分かり始めた気がしています。100周年を迎え、墓前へ報告に行き「僕、まだ映画界で生き延びてますよ」と話したら、徳間さんが笑っておられた気がしました。

血の勝負師
  社長室に「映画というのはプロダクションがやる、血みどろの賭博であるとするなら、社長というのはその賭博を代行する血の勝負師であらねばならない。当然、天性、勝負運のついた男でなければならない。賭博の働きはスタッフがやるにしても、運を貸すのは社長でなければならない」という言葉を飾っています。司馬遼太郎さんの小説から引用して作られた言葉で、昔の上司からいただいたものです。

我流
  ギャンブルはしません。勝負師としてのツキが減ったら嫌だからです。毎晩のように誰かとお酒を呑みますが、お酒の銘柄にも、料理にもまったく興味はありません。睡眠時間もこだわりはない。寝てうまくいく場合もあれば、寝ずに頑張った方がうまくいく場合もあるからです。ようするに、映画以外、何の興味も関心もない。

楽しみ方
  毎週、劇場に映画を観に行きます。最近観たのは『天地明察』『鍵泥棒のメソッド』『夢売るふたり』。家でDVDはほとんど観ません。お客さんの反応を見るのも、映画を観る楽しみだからです。

映画鑑賞
  テレビは日常、一方、映画は〝イベント〟だと思っています。私も昔、大学の授業をサボってでも行列に並び、公開初日に行ったりしていました。何も並ばなくても、と思いますが、徹夜で映画談義し、友人と感想を言い合うことも含めて映画鑑賞だったのです。結局、私は今も何も変わらず、昔の延長線上を生きているんだな、と。

(取材/加藤敦、文/夏目幸明)
『週刊現代』2012年11月3日号より

 

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