ドイツ
リズム感のよさ、呑み込みの早さはドイツ人の比ではない! Stardust Revueのコンサートで実感した日本人の意外な長所
〔PHOTO〕gettyimages

 Stardust Revueのコンサートに行った。日本人のポップミュージックのグループだ。ここのボーカリストが、高校時代の仲間のご主人であるという縁により、皆で繰り出すことになったのだが、なにしろポップスのコンサートなんて、もう100年ぐらい行ったことがない私はワクワク。日本に着いた翌日、時差ボケも物ともせずに直行した。

 普段行くのは、クラシックのコンサートばかりだ。ドイツでクラシックのコンサートと言うと、とにかく白髪の波で、クラシック音楽の行く末が思いやられる。今の若い人たちも、白髪頭になったころクラシック音楽の愛好者になるのなら先行きの心配などする必要はないが、聞くところによると、すでにかなりの高齢者も最近はポップスのコンサートに出入りしているらしい。

 ドイツのクラシック音楽は、オペラにせよ、シンフォニーにせよ、いまや膨大な公共の助成金でようやく成り立っている。それに比べて、ポップスはコマーシャルベースで採算が取れるのだから、この差は大きい。

昨今の中年は元気だ!

 さて、ポップミュージックの観客の年齢層が高くなっているのは日本も同じらしく、Stardust Revueのコンサート会場へ向かう人々の姿も、かなり年季が入っていた。もちろん、私もその1人なのだが、考えてみればアーティストたちも結構な年。

 ここ30年ほどの世の中の変化は顕著である。寿命が延びるにしたがって、若者の結婚、出産はどんどん後ろへずれこみ、アーティストとファンの年齢層もどんどん高くなる。実年齢と生物学的年齢が開いていくというべきか、いずれにしても、昨今の中年は元気だ!

 コンサートが始まって、その驚きはさらに増した。最初の曲が始まったと思ったら、皆、立ちあがって乗りに乗り、客席全体がビートに合わせて左右に波のように揺れたり、あるいは上下にポコポコ跳ねたりしたまま、もう止まらない。そして、それが(すべてとは言わないが)中年の波なのだから、凄い!

 ゴム長さえ履けば魚河岸に買い付けに来ている魚屋さんのような出で立ちの胡麻塩頭の男性が、首にタオルを掛けていた理由がやっとわかった。これだけエキサイトすれば、当然、汗びっしょりになる。タオルはまさにその対策であったのだ。

 それにしても見ているだけで楽しく、日常から遊離した魚屋さんの珠玉の一瞬がこちらにも伝わってくるようで、なんだか感動してしまった。この活気! ドイツのクラシック音楽会の開演前に、正装をした老人が、居眠り防止のために神妙な面持ちでコーヒーを飲んでいるのとは大違いだ。

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