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 贔屓のチームが負けると男性の機嫌が悪くなるのは万国共通のようですが、英国・東ロンドン大学のAllan Brimicombe教授らが、Significance 2012年10月号に発表した研究で、サッカーワールドカップ2010年南アフリカ大会で、イングランドチームが勝った日と負けた日に、英国内では家庭内暴力が約30%も増加していたことが明らかになりました。

 教授らによると、英国ではすべての暴力事件の15%が家庭内暴力事件であり、殺人の35%が家庭内で発生しており、英国では女性の30%、男性の15%が人生のいずれかの時点で家庭内暴力に遭っていると考えられるとしています。

 また2006年のサッカーワールドカップの際に家庭内暴力が増えていた可能性が指摘されていたことから、今回は2010年サッカーワールドカップの開催期間と2009年の同時期を比較して家庭内暴力の発生状況が実際にどうなのかを詳しく調査分析しました。

 その結果、家庭内暴力の発生がイングランドが1―1で引き分けた米国戦では1.9%減、同じく0-0で引き分けたアルゼンチン戦では0.1%増だったのに対し、イングランドが1―0で勝利したスロベニア戦では27.7%、1-4で負けたドイツ戦では31.5%も家庭内暴力が増加していたことがわかりました。

 この結果について博士らは大きな国際大会の結果は引き分けではない場合、勝っても負けても興奮や怒りを刺激し、家庭内暴力を呼び起こすため、主催者は率先して家庭内暴力を減らすような取り組みをすべきであること、また警察は対応できる準備を怠らないようにするべきであると指摘しています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Significance 2012年10月号


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