外交問題を適切に処置する能力を欠いた野田内閣。外交に必要なのは、ナショナリズムとプラグマティズムのバランスである!
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 先週の民自公党首会談は、解散時期の明示を求める自公の要求を、野田首相が一蹴して決裂した。一方、政府・民主党は、29日に臨時国会を開くことを決めた。会期は、1ヵ月程度という。しかし、自公も、またわれわれ中小野党も、野田内閣不信任、早期解散・総選挙を求めており、大荒れの国会となるであろう。

 参議院では、野田首相問責決議案が可決しており、この内閣を認めていないので、すんなりと審議に応じるのは難しい。政権を担っている民主党の統治能力欠如が今日の政治の混乱を生んでいるのであって、野党の責任でも何でもない。

 特例公債法案にしても、予算案と切り離して審議しようとしたのは、民主党であり、まさに政局の道具に使おうとしたのである。その「不純な」戦術が、自分に跳ね返っただけである。

 さらには、田中法務大臣のように問題の多い人物を閣僚にして、躓いている。身体検査をきちんと行ったのか。すぐに辞める内閣だからといって、滞貨一掃内閣や思い出作り内閣などは、ご免被りたい。

野田内閣は早晩退陣に追い込まれるであろう

 被害者は国民である。大臣の職というものがいかに重いものであるか、その権力と責任を考えれば、資質を欠いた者が容易に就任すべきではない。閣僚は、毎日、全力投球が要求されるので、心身ともにタフでなければ務まらない。

 民主党というのは不思議な政党である。数人の国会議員で、政府と党の役職をたらい回ししている。枝野氏、前原氏、岡田氏などがそうで、彼らも、たまには無役になって、ゆっくりと天下国家について思考をめぐらすほうがよい。充電もしない古いバッテリーで国家を動かしてもらっては困る。この党には、そんなに人材がいないのであろうか。

 週末に実施された朝日新聞の緊急世論調査では、野田内閣支持率が急落している。以上に記したような状況をみれば、それも当然であろう。

 この調査では、前回の23%から18%に低下しており、はじめて20%を切った。これは野田内閣発足以来、最低の数字であり、政権に黄信号が灯り始めたことを意味する。野田首相や輿石幹事長は、政権の延命、解散の回避しか頭にないが、世論がここまで政権を突き放せば、早晩退陣に追い込まれるであろう。

 その場合でも、解散総選挙という選択肢ではなく、岡田氏や細野氏などを首相に据えて、民主党政権の延命をはかる道を選ぶのではないか。新政権になれば、内閣支持率も多少なりとも上がるかもしれないからである。

 自公両党も、早期解散戦略を見直さざるをえなくなるし、それは両党の執行部が、その見通しの甘さを批判されることになる。野田首相の次が安倍首相であるとは言い切れない状況にある。

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